2021 Fiscal Year Research-status Report
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18K03345
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
勝良 健史 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (50513298)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 作用素環 / C*環 / 力学系 / 非可換幾何 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,SGDSと呼ばれる力学系と位相グラフに関する論文と,SGDSから作られるC*環のイデアル構造に関する論文をまとめ公開した.SCDSはSingly Generated Dynamical Systemのr略でRenault氏により導入された.最初の論文では,SGDSから作られるC*環のクラスが,代表者が導入した位相グラフというものから作られるC*環のクラスと一致することを,位相グラフの双対グラフやfactor mapなどを用いて示した.さらに後の論文では,SGDSから作られるC*環のイデアルの構造を空間の部分集合などを用いて具体的に記述することに成功した. また,以前から続けてきた量子群に関連する非可換空間の研究を完成させ,論文にまとめ公開した.この論文は雑誌に掲載されることが決定した. 接合積を用いた非可換幾何の研究や有限T0空間上のC*環の解析に関する研究も進めることができた. 22年の1月に京都で行われた研究集会で,SGDSから作られるC*環のイデアル構造に関する結果を講演した.この集会はハイブリッドで行われたが,会場からもオンラインからも質問が相次ぎ,有意義な発表となった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3つの論文を公開することができ,そのうち1つが雑誌に掲載することが決定した.また,国内の研究集会に招待され本研究で得られた結果を発表することができた.その他の研究に関しても進展があった. 以上のことからおおむね順調に進展していると思われる.
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Strategy for Future Research Activity |
21年度に得られた結果を研究集会などで発表を行い,研究討論を通して新たな研究の展開を考察したい.また,21年度に進展した接合積を用いた非可換幾何の研究や有限T0空間上のC*環の解析を引き続き押し進め,結果を論文にまとめたい.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の影響により,海外での研究集会が中止またはオンライン開催となったため,今年度の旅費の使用額が少なく次年度使用額が生じた.次年度もしばらくは海外での研究集会への参加が難しいと思われるため,研究補助作業依頼のための謝金,図書購入のための物品費として使用していく予定である.
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