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2020 Fiscal Year Research-status Report

New developments in the research of discrete Sobolev inequalities - Applications to mathematical engineering

Research Project

Project/Area Number 18K03347
Research InstitutionTsuda University

Principal Investigator

永井 敦  津田塾大学, 学芸学部, 教授 (90304039)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 亀高 惟倫  大阪大学, その他部局等, 名誉教授 (00047218) [Withdrawn]
Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywords離散 / ソボレフ不等式 / グリーン関数 / C60フラーレン / 筋交い問題 / グラフ理論
Outline of Annual Research Achievements

本年度は差分方程式の境界値問題に対応する離散ソボレフ不等式とその最良定数に関する研究を応用数理の側面から遂行した。具体的には以下の2点について研究を行った。
(1)C60フラーレンと1812個の異性体に対応する離散ソボレフ不等式の最良定数
切頂正20面体、あるいはC60バッキーボールフラーレン上の離散ソボレフ不等式の2015年度に発表した研究結果を、1812個あるC60の異性体モデルに拡張した。異性体の離散ラプラシアン行列とその一般化逆行列(グリーン行列)を調べることによって、離散ソボレフ不等式の最良定数(=グリーン行列の対角線値の最大値)をすべて計算した。最良定数はすべて有理数で表され、バッキーボールフラーレン(サッカーボール型)の最良定数が1812個のうち最も小さいことがにわかった。これはバッキーボールフラーレンが一番安定している、つまり「かたい」ことを数学的に厳密に証明したことになる。本研究成果は1編の論文として、JSIAM Letters Vol. 12(2020) pp. 49-52 に掲載された。
(2)離散ソボレフ不等式の筋交い問題への応用
また、離散ソボレフ不等式のグラフ理論への応用として、筋交い問題を考えた。筋交いを入れた長方形状の格子に力を加えたとき歪まないようにするにはどのように筋交いを配置すればよいか、これについては1995年 B. Servatius によって2部グラフを利用した歪まないための必要十分条件が与えられた。本研究では一歩踏み込んで、筋交いをどの向きに入れると、強度が増すのかについて、離散ソボレフ不等式の最良定数の大小を比較することにより、1つの解決法を与えた。本研究成果は現在論文を準備中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

C60フラーレンの1812個の異性体に対応する、離散ソボレフ不等式とその最良定数については、亀高惟倫氏,渡辺宏太郎氏,武村一雄氏,山岸弘幸氏,關戸啓人氏との共同研究を進め,2020年度に1編の論文としてJSIAM Letters に掲載され、10年以上にわたって研究した離散ソボレフ不等式の集大成的な結果になったと考えている。
また、新たな数理工学への応用として「筋交い問題への応用」という研究テーマに着手した。こちらの研究に関しても、離散ソボレフ不等式という観点から,さまざまな筋交いの離散ラプラシアンとそのペンローズムーア一般化逆行列(グリーン行列)を調べることによって新たな知見が得られ、現在も研究が進んでいる。

Strategy for Future Research Activity

離散ソボレフ不等式の多面体グラフや筋交い問題など工学への応用を進めるとともに、各種高階偏微分作用素の境界値問題に関連したソボレフ不等式とその最良定数や最良関数の計算を行う。
(1) 離散ソボレフ不等式の最良定数、工学への応用
C60をはじめとする種々の多面体グラフ、続いて13種あるカタラン多面体グラフに着目し、対応する離散ラプラシアン、グリーン行列を計算し、グリーン行列の再生核構造から離散ソボレフ不等式を導出し、その最良定数を求める。また筋交問題についてもフレームと筋交いの強度を変えた(バネ定数が異なる)格子を考察し、対応する離散ソボレフ不等式の最良定数を計算する。
(2) 偏微分作用素の境界値問題とグリーン関数、ソボレフ不等式の最良定数
偏微分作用素、特に重調和作用素や高階熱作用素などのなどの高階偏微分作用素の素の境界値問題を設定する。これらについては線形方程式でもグリーン関数を構成するのは困難である。数式処理を駆使してグリーン関数を構成し、その再生核構造を調べることによってソボレフ不等式を導出する。次にグリーン関数の対角線値の最大値(=ソボレフ不等式の最良定数)を具体的に求める。

Causes of Carryover

予定していた研究集会や学会は中止になったりオンライン化されたりしたことによって、出張旅費は減った。その一方でオンライン研究打ち合わせのためのPCや書画カメラなどの機材にかかる費用は増えて、結果的に使用計画とほぼ同額の出費となった。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] The best constant of discrete Sobolev inequality on 1812 C60 fullerene isomers2020

    • Author(s)
      Yoshinori Kametaka, Kohtaro Watanabe, Atsushi Nagai, Kazuo Takemura, Hiroyuki Yamagishi, Hiroto Sekido
    • Journal Title

      JSIAM Letters

      Volume: 12 Pages: 49-52

    • DOI

      10.14495/jsiaml.12.49

    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2021-12-27  

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