2022 Fiscal Year Annual Research Report
New developments in the research of discrete Sobolev inequalities - Applications to mathematical engineering
Project/Area Number |
18K03347
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Research Institution | Tsuda University |
Principal Investigator |
永井 敦 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (90304039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀高 惟倫 大阪大学, その他部局等, 名誉教授 (00047218) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ソボレフ不等式 / グリーン関数 / 離散化 / 離散ラプラシアン行列 / グリーン行列 / C60 / 筋交い問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究最終年度はグリーン関数を用いたソボレフ不等式の最良定数計算およびその離散化の数理工学への応用研究として(1)筋交い問題への応用(2) 棒のたわみ問題研究を行った。得られた研究成果は以下の通りである。 (1) 筋交い問題への応用:平面上の格子に筋交いを複数入れた場合、その格子が力を加えたとき歪むかどうかは、グラフ理論を用いたServatius (1995)の結果がある。本研究では筋交いの向きを変えたとき格子の強度がどうなるのか離散ソボレフ不等式の最良定数の視点から研究した。本研究成果は1編の論文として、RIMS Kokyuroku Bessatsu に掲載された。 (2) 棒のたわみ問題への応用:半無限の長さの棒のたわみを記述する4階常微分方程式の境界値問題のうち工学的に重要な4種類問題を考察した。グリーン関数を具体的に求めて、その正値性と相互の大小関係(階層構造)を調べた。本研究成果は1編の論文として、Mathematical Journal of Okayama University に掲載された。 研究期間全体として、C60フラーレンを最終目的とする各種多面体グラフ上の離散ソボレフ不等式、離散化された糸のたわみ問題に対応する離散ソボレフ不等式、棒のたわみ問題のグリーン関数の正値性と階層構造、筋交い問題への応用などを扱った。グリーン関数、ソボレフ不等式、離散化という3つの視点から理工学の諸問題への数学的基盤を与えるという当初の目的は達成されたと考える。特にC60とその1812通りの異性体に対応する離散ソボレフ不等式研究については、2021年度に日本応用数理学会論文賞を頂いた。またこれまで20年近く研究したグリーン関数とソボレフ不等式の研究を1冊の本にまとめて2022年11月に「グリーン関数」(亀高惟倫・永井敦・山岸弘幸)を裳華房から出版した。
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Research Products
(3 results)
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[Book] グリーン関数2022
Author(s)
亀高 惟倫、永井 敦、山岸 弘幸
Total Pages
200
Publisher
裳華房
ISBN
9784785315979