2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K03359
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
山本 謙一郎 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (30635181)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 大偏差原理 / 区分単調区間写像 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は昨年度に引き続きMarkov Diagramを用いた大偏差原理およびその周辺の研究を行った。特に以下の4つの結果を得た。 (1) 区分単調区間写像(piecewise monotonic interval map)に対して、Markov Diagramが既約かつ周期点に重みを持つ不変測度がエルゴード的不変測度の中で稠密であるという仮定のもとで最大エントロピー測度をリファーレンス測度として大偏差原理が成立することを示した。(2) 区分単調区間写像に対して、(1)と同じ仮定のもとで任意の不変測度の生成点全体の集合の位相的エントロピーがその測度の測度論的エントロピーに一致することを示した。(3) 区分単調区間写像が位相推移的かつ周期点に重みを持つ不変測度がエルゴード的不変測度の中で稠密であるという仮定のもとで任意の連続関数に対してバーコフ平均が発散する点全体の集合が空またはfullの位相的エントロピーを持つことを示した。(4) 位相推移的な区分単調区間写像に対して周期点に重みを持つ不変測度がエルゴード的不変測度の中で稠密であるという性質の特徴づけを行った。 (1)は広島大学の鄭容武氏との, (3)は東海大学の中野雄史氏との共同研究である。また上記の各結果は既に論文としてまとめており、(2)-(4)は投稿中、(1)は近日中に投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた高次元区分的拡大写像に対する大偏差原理の研究には着手出来なかったが昨年度開発したMarkov Diagramを用いた区分単調区間写像の大偏差原理の研究手法と同様の手法を用いることにより複数の区分単調区間写像に関する結果を得ることが出来た。以上を勘案して、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は今年度着手出来なかった高次元β変換を含む高次元区分的拡大写像に対して大偏差原理が成立するかどうかを考察する。これらの研究を円滑に行うために関連する研究者との研究討論および得られた結果の研究発表を行う。
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Causes of Carryover |
参加する予定であった複数の研究集会が中止になり旅費としての支出が予定より大幅に少なかったため当該助成金が生じた。次年度の書籍代、旅費として使用する。
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Research Products
(5 results)