2023 Fiscal Year Annual Research Report
Study on representation for solutions to PDE by elliptic functions and the related problems
Project/Area Number |
18K03374
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
若狭 徹 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (20454069)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 楕円関数 / 線形化固有値問題 / 分岐理論 / 反応拡散系 / ラメの微分方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の研究では2021年度、2022年度に引き続き(1)空間1次元の非線形固有値問題に付随する線形化固有値問題の解構造と漸近公式の研究、(2)線形化固有値問題に関連するLam'e方程式の解構造と漸近公式の研究、(3)一般化Chafee-Infante問題の大域分岐の問題の研究に取り組んだ。 (1)に関しては宮本安人氏(東京大学)および竹村春希氏、会沢修也氏(ともに東京大学大学院)らとの共同研究をまとめた論文2編がともに国際雑誌において出版された。次に(2)については、宮本氏との共同研究に取り組み、周期境界条件を持つLam'e方程式の(固有値)問題について、自然数パラメータnがn=1,2のときに固有値・固有関数の表示式や漸近公式を書き下すことに成功した。また、国際会議AIMS2023においてLam'e方程式と変形第3種楕円積分の部分的関係について発表を行っている。 (3)については菅徹氏(大阪公立大学)との共同研究により、特定のネットワーク環境を考慮したChafee-Infante問題の解の分岐構造を調査した。シューティング法により局所分岐解の構成に成功したが、大域分岐構造の解明ついては今後の課題といえる。 研究期間全体については、楕円関数を用いた線形化固有値問題の解の記述について一定の研究成果を得ることができた。多変数反応拡散系の線形化固有値問題の縮約問題との関係については(栄伸一郎氏(城西大学)、島谷晴基氏(北海道大学)らとの共同研究)により一定の結果が得られているが、コロナ禍の影響を大きく受け論文完成が遅れている。 また、上記以外の研究として1次元MEMSモデルの解析(Jong-Shenq Guo教授ら台湾グループとの共同研究)、1次元Gierer-Meinhardtモデルの解析(宮本氏・兼子裕大氏(関東学院大学)との共同研究)について論文が1編ずつ刊行されている。
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Research Products
(7 results)