2021 Fiscal Year Research-status Report
ヒストリー的挙動を許容する可微分力学系の創発性の研究
Project/Area Number |
18K03376
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
相馬 輝彦 東京都立大学, 理学研究科, 客員教授 (50154688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桐木 紳 東海大学, 理学部, 教授 (50277232)
中野 雄史 東海大学, 理学部, 講師 (50778313)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Emergence / diffeomorphism / historic behavior |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,微分同相写像の創発性(emergence)である.特に,2次元多様体 M 上の微分同相写像で,Lebesgue 測度が正である M のある部分集合 U に対し,U の要素を起点とする前方軌道の創発性が Sup-P となる族を見つけることにあった.これらの写像は,本研究代表者と,研究分担者の一人である桐木紳氏(東海大学教授)との共同研究で得られた2次元微分同相写像の構成をさらに精密化することで構成できるという目標を持って研究を進めてきた.しかし,昨年度に続き今年度は,コロナ禍ということもあり,国内外の出張が思うように出来ず,研究情報の収集や交換が十分にはできなかった.一方,共同研究者の桐木氏や中野雄史氏(東海大学講師)とZOOMを使ったオンライン研究を継続的に行うことにより,成果を出すことができた.特に,本研究課題の主要目的の一つであった研究結果を,S. Kiriki, Y. Nakano and T. Soma, Emergence via non-existence of averages, Advances Math. 400 (2022) として出版することが出来た.さらに,wild blender-horseshoe を持つ3次元微分同相写像で,ヒストリー挙動をもつ遊走集合を許容するモデルが存在することが証明できた.また,本研究との関連で,観測可能なLyapunov非正則性をもつ微分同相写像のモデルが豊富にあることも証明できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の主要な課題である,2次元微分同相写像の創発性に関する研究はほぼ計画どうおり進んでいる.特に,主要な結果を国外の論文誌から発表することが出来たことは,評価できると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
「現在までの進捗状況」で述べた,3次元モデルを一般化して,より広い範囲の3次元微分同相写像も同様の遊走集合をもつことを目標とする.また,それらの結果をまとめて論文誌に投稿する予定である.
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Causes of Carryover |
covid-19 の影響で予定していたアメリカ出張が延期になった.また,共同研究を予定していた中国およびブラジルの研究者の招聘も中止になったことによる.
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