2022 Fiscal Year Annual Research Report
Global analysis of the Kirchhoff equation
Project/Area Number |
18K03377
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
松山 登喜夫 中央大学, 理工学部, 教授 (70249712)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | Kirchhoff 方程式 / Gevrey 空間 / 時間大域解 / 外部問題 / 波動方程式 / 捕捉領域 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度と同様にKirchhoff方程式の時間大域解の存在に関する研究と外部領域における波動方程式の局所エネルギー減衰に関する研究を行なった。Kirchhoff方程式に関しては、初期値をGevrey空間から取り対応する時間大域解の存在を証明することを目標としているが、現段階では非局所項を制御する一歩手前まで辿り着くことができた。議論のアイディアは、時間に依存する係数をもつ線型方程式の係数にLipschitz連続性の仮定を置くことにより解のGeveryエネルギー評価式を得て非線形問題にシフトすることである。Gevrey空間におけるエネルギー評価式を考える場合、収束半径に付随する微分損失が現れるが、今回得られた注目すべき点は収束半径が実解析性とGevery解析性を補間することが解明されたことであり、非線形問題であるKirchhoff方程式の解の形がより明確になったことである。特に実解析的な場合、Bernsteinにより得られている実解析的時間大域解の存在の別証明を与えることができた。この証明は非常に簡単に遂行できた。
波動方程式の外部問題における局所エネルギー減衰評価の研究に関しては、考える領域は捕捉的領域を含むかなり一般的なものが許容される。例えば複数個の凸物体の外部領域やきのこ型領域の外部領域などが含まれている。手法としては波動方程式の特異性の伝播定理を使うことにより方程式に対応するHelmholtz方程式の高周波解の評価式を得ることである。低周波解に関してはよく知られたcut-off methodとFredholmの積分方程式の理論を用いて遂行される。領域の幾何学的条件としてはシンプレクティック幾何に現れるHamilton流を考察することにより捕捉的な領域に自然な仮定が置かれている。この結果は現在投稿中である。
|