2020 Fiscal Year Research-status Report
定曲率空間における非線形楕円型方程式の正値球対称解の一意性および分岐構造の研究
Project/Area Number |
18K03387
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
渡邉 宏太郎 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 電気情報学群, 教授 (30546057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩路 直樹 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (50215943)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 球対称解 / 一意性 / Pohozaev関数 / 弾性エネルギー / 離散Sobolev不等式 |
Outline of Annual Research Achievements |
半線形楕円型方程式の正値球対称解の一意性の問題に関する概要について述べる.本年度の実績としては,n次元球面上の薄いアニュラス上でのディリクレ境界条件下でBrezis-Nirenberg問題の正値球対称解の一意性及び正値球対称解から分岐する非球対称解の存在を示した.この球対称解及び非球対称解の存在は,Leray-Schauder写像度を用いるため、非線形項の指数がSobolev臨界、優臨界であってもよい.この結果はCommun.Pure and Applied Analysis,Vol.19,No.10(2020)において報告された. 2次元球面上のL^p弾性エネルギー停留曲線の構成問題の概要について述べる.p>2の場合には,p-Laplace作用素の性質からflat-core解という特異な閉じた停留曲線が存在する.この特異な停留曲線が測地線をその一部として含むことを示した.この結果はComunn.Analysis and Geometry,Vol.28,No.6(2020)において報告された. 離散的Sobolev不等式の最良定数の導出に関する問題の概要について述べる.C60フラーレンには1812個の異性体が存在する.これらを炭素原子を頂点とするグラフとみなし,その離散Sobolev不等式の最良定数を求めた.離散Sobolev不等式とは,通常の有界関数への埋め込みを記述する不等式のグラフ上への一般化を表す.1812個中、Buckyball型がSobolev最良定数が最小となることを示した.物理的には,1812個中,最も固い構造であろうことを示唆し.。この結果はJSIAM Letters,Vol.12,(2020)において報告された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,形として学術論文3編を出版することができた.このことから,上記の評価とした.これらは,本年度と昨年度以前に準備したものを含むが,まとめ方の問題で評価がしにくいことも多々あったと思われる.顧みるとできる限り,同一論文ににまとめた方が良いと考えていた傾向があったように思うが,このことは,再考するべき事項のように思われる.次年度以降に活かして行きたい.
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Strategy for Future Research Activity |
半線形楕円型方程式の正値球対称解の一意性の問題に関して述べる.ユークリッド空間上のアニュラス領域,ディリクレ条件下でNirenberg問題の正値球対称解の一意性が空間次元n=3の場合,特に条件なく成立することを得ている(学術論文誌には来年度掲載).基本的な問題なので,空間次元を3以外の次元にまず拡張したいと考えている. 正値球対称解の一意性の問題とは逆に正値球対称解の多重存在性の問題についても取り組んで行きたいと考える.解の対称性と何らかの解に関係するエネルギーを定義し,対称性とエネルギーの関係を考察することにより,実行して行きたいと考えている.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により,旅費の使用がなかったことが大きく影響した.次年度も依然影響は大きいと思われるため,大まかには図書資料の拡充を図る方向で活用させていただきたいと思う.
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Research Products
(3 results)