2023 Fiscal Year Annual Research Report
Study of innovative speeding-up of main-variables elimination of multivariate polynomial systems
Project/Area Number |
18K03389
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐々木 建昭 筑波大学, 数理物質系(名誉教授), 名誉教授 (80087436)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 多変数多項式の変数消去 / グレブナー基底法 / 多項式剰余列法 / イデアルの最低元 / イデアルの生成元係数 / 終結式の余計因子 / 終結式の余計因子除去 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,多変数多項式系の変数消去に関し,消去結果式が最も低順位と言う点で完璧だが計算が非常に重いグレブナー基底法に代わる,十分に計算速度が速い実用的な方法を開発することである。この観点から言えば研究は大成功だったといえる。 ●申請者が用いたのは既知の剰余列法なのだが,その方法は消去結果式が大きな余計因子(extraneous factor)を持つ欠点があった。 世界を見渡しても,グレブナー基底研究者は巨大な計算量に,剰余列法の採用者は余計因子除去になす術がなかった。その中で申請者は,二多項式系(消去変数は一個のみ)に対して余計因子を全く生じない算法を考案した。多・多項式系に対しては``消去する変数の順番を変えて変数消去を行い,得られた複数の消去結果式(いづれも最低順位の多項式の倍数)のGCDを計算する'',などの卓抜なアイデアで,余計因子を零にはできないものの大幅に除去することに成功した。 ●コロナによる研究期間の大延長もあり,2023年度は、昔から興味を持ち密かに勉強していた「地震」に関する研究を大っぴらに行った。地震に関しては,大数学者Euler が 1750年に弾性体(力を加えれば変形し力を抜けば元に戻る物体)に対する運動方程式を導出し、その理論を基に地震波P波とS波の存在が成功裏に導きだされた。 ●申請者はまず,海洋プレートが大陸プレートに``沈み込む(subduct)''状況を表現すべくEuler方程式を改変した。具体的には,両プレートは異なる岩石からなるとし,プレート同士は「間隙関数」で表わされる微小間隙を挟んで、「準特異面」で分離されるモデルである。地震が発生する為には両プレートは``固着(locked)''することが必要であるが,現在の地震科学の固着理論は申請者には到底納得いかない。そこで,海底の地下構造調査に基ずく申請者なりの固着モデルを提唱した。
|