2020 Fiscal Year Research-status Report
Research on extremal combinatorics by Ramsey methods
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18K03396
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
篠原 雅史 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (70432903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 寛 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (80632778)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 距離集合 / 正十二面体 / 組合せ論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「よい点配置はあるよい部分構造を含むこと(ラムゼー型問題)」と「よい部分構造を持つ点配置の分類(構成型問題)」の両輪で、よい点配置の特徴づけを行うことを主たる目的としている。 ユークリッド空間の有限部分集合 X の相異なる 2点間の距離が丁度 k-種類現れるとき、X を k-距離集合という。特に正十二面体は 20 点からなる 5-距離集合である。空間と距離の個数 k が与えられたとき、最大の頂点数を持つものを分類することは、距離集合の研究における主問題である。三次元ユークリッド空間においては、4 以下の k に対して最大を与えるものが分類されている。k=5 のとき、最大頂点数は 20 であり、正十二面体の 20 頂点が最大値を与える唯一のものであると予想されていた(正十二面体予想)。本研究では次の 2 つを示すことにより正十二面体予想を解決することができた。(1)三次元ユークリッド空間における、20点 5-距離集合は 8 点 k-距離集合(k=3,4)を含む。(2)8 点 k-距離集合(k=3,4)を含む 20点 5-距離集合は正十二面体の20点に限られる。 本結果をまとめた「A proof of a dodecahedron conjecture for distance sets」が Graphs and Combinatorics に採録されることが決定した。また、関係する研究発表を次の通り行った。(1) 距離集合に関する正十二面体予想について(離散数学とその応用研究集会2020, 2020年8月), (2)正多面体と距離集合(研究会 直観幾何学2021, 2021年3月)(3)3 次元ユークリッド空間における距離集合の分類問題と関係するグラフ構造(数理情報科学さくらセミナー2021, 2021年3月)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の手法が上手く働き、距離集合における正十二面体予想を解決することができた。本結果については Graphs and Combinatorics に受理され公開されている(2021年4月)。
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Strategy for Future Research Activity |
d 次元ユークリッド空間上の最良な 2-距離集合について、Lisonek (1997)により、7 以下の d の場合に分類されている。d=8 の場合、一般的な議論により、最大頂点数は高々 45 であり、45 点の例も 1 つ知られている。45 点の 2-距離集合がこの 1 つに限られるかは重要な未解決問題である。ここでも、本研究手法が上手く適用できるのではないかと期待している。特に、ラムゼー数を用いて、構造を限定することで、計算可能な範囲に落とせるのではないかと考えている。
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Causes of Carryover |
予定していた海外出張がなくなったため。
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Research Products
(4 results)