2021 Fiscal Year Research-status Report
Research on extremal combinatorics by Ramsey methods
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18K03396
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
篠原 雅史 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (70432903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 寛 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (80632778)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 極値組み合わせ論 / 距離集合 / 正十二面体 / 距離構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
ユークリッド空間上の有限個の点集合 X の相異なる 2 点間の距離が k 種類のとき、X は k-距離集合であるという。空間と k を固定したとき、最大の頂点数を持つ k-距離集合を最良な k-距離集合という。本研究のこれまでの実績として、最良な k-距離集合の分類に関する予想次の2つの予想を解決した。 (1)三次元空間における 5-距離集合の最大頂点数は 20 で、最良なものは正十二面体の20頂点に限られる(正十二面体予想)。 (2)8 次元ユークリッド空間における最良な 2-距離集合は Lisonek(1997) によって構成された 45 点集合に限られる。 (1)については、Graphs and combinatorics に掲載された。(2)に関して、我々は、「8次元ユークリッド空間の 45 頂点からなる 2-距離集合は 9 頂点の正単体を含む」ことと「9 頂点の正単体を含む 8 次元ユークリッド空間上の 45 点からなる 2-距離集合は Lisonek の例に限られる(Nozaki-Shinohara, 2020)」ことを示すことで、その一意性を示した。ここで、Lisonek の例は良く知られた d 次元ユークリッド空間上の k-距離集合の頂点数の上界を満たすただ一つの(非自明な)例として重要である。本結果については、代数的組合せ論シンポジウムで講演を行い本シンポジウムの報告集に証明の概要をまとめた。現在論文執筆中である。 ともに計算機を用いた結果であるが、極値集合論やグラフ理論等の組合せ論的アプローチを用い、計算機に頼る部分を少なくしたことにより分類が完成された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた本研究の手法が上手く働いたため、研究実績の概要にある (1), (2) を解決することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題における目的は概ね達成されているが、研究実績にある(2)の予想について、計算機を用いた部分を精査しより少ない計算量での解決を試みる。
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Causes of Carryover |
予定されていた海外出張がオンライン開催になったため。2022年度の国内学会への参加や計算機器の整備などに使用予定である。
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Research Products
(8 results)