2021 Fiscal Year Research-status Report
New aspects of cardinal invariants
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18K03398
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
Brendle Jorg 神戸大学, システム情報学研究科, 教授 (70301851)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 数理論理学 / 集合論 / トポロジー / 測度論 / 強制法の理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
主に、強制法の理論などの洗練された技法を用いて実数全体の組み合わせ論的構造を集合論の観点から調べた。特に、反復強制法の理論と、実数直線の構造を説明する、最小の非可算基数と連続体の濃度の間の値を取り得る「連続体の基数不変量」の相互関係に焦点を絞った。 まず、2020年に神戸大学で滞在した Parente(トリノ大学)との、完備なブール代数上の極大フィルターについての共同研究をズームで継続し、Tukey 順序や Rudin-Keisler 順序のような極大フィルター全体上の順序の間の関係について幾つかの結果を得て、論文「Orderings of Ultrafilters on Boolean Algebras」にまとめた。次に、ブール代数の極大反鎖全体上に自然な順序を導入し、その順序を説明する基数不変量の古典的基数不変量との関係を調べ始めた。 また、Switzer(ウィーン大学)とのズームによる共同研究で、ベール空間から自分自身への関数上の構造を説明する「高階次元の基数不変量」について続いて研究し、それぞれの dominating number の大小関係に関する ZFC の元の定理も独立性定理も証明し、昨年の結果と合わせて論文「Higher dimensional cardinal characteristics for sets of functions II」にまとめた。 さらに、極限段階にランダム実数を付け加える shattered iterations をより深く調べ、Cichon の図式に出る基数不変量についての新しい独立性結果を得た。 その上、コーエンモデルやランダムモデルにおいて、連続体濃度以下のあらゆる正則基数がある base matrix の高さとなることを証明し、Fischer などの問題を解決した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
連続体の基数不変量の間の大小関係や、その関係を調べるために必要な反復強制法の新しい技術の開発、またそれらと関連する組み合わせ論的集合論のテーマについての研究が非常に滑らかに進んでいる。特に、完備なブール代数上の有限加法的な測度に関する徹底的な探究によって上記の shattered iterations についての理解を深め、更なる研究の基礎を準備した。また、Parente との仕事で、モデル論、トポロジーなどの純粋数学の分野にわたって重要な概念である「極大フィルター」をより深く理解した。 また、Switzer との共同研究で、一般化された基数不変量の一つの重要な例である高階次元の基数不変量をもっと集中的に研究した。 しかし、計算可能性理論におけるチューリング次数の高度性質についての研究が少し遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
最新の反復強制法の技術をはじめ、無限組み合わせ論、計算可能性理論、トポロジー、測度論やブール代数の理論などの純粋数学の分野の最先端のアイディアを用いて、いくつかの重要な問題の解決に焦点を絞って、基数不変量などの組み合わせ論的対象をいくつかの観点から調べていく。特に、上記の shattered iterations などの新しい強制法の反復法を発展させ、Cichon の図式の基数不変量の大小関係について新しい無矛盾証明を行なっていく。また、Parente とのズームによる共同研究を継続することによって、完備なブール代数や、ブール代数上の極大フィルターについての知識を深めていく。さらに、一般化されたベール空間の基数不変量や、高階次元の基数不変量などの古典的な基数不変量の変形と、計算可能性理論において基数不変量と対応するチューリング次数の高度性質について集中的に研究を行っていく。 本研究計画の分野については世界的に研究が行われているため、国内外の指導研究者との意見交換や共同研究は必要不可欠である。そのため旅費に重点をおく研究計画である。コロナ危機のせいで、いつ海外出張へ行けるかまだ未定であるが、渡航制限が解除されるなら共同研究のためトリノ(Parente との共同研究)、ボゴタ(Villaveces との共同研究)やモレリア(Hrusak と Guzman との共同研究)へ海外出張する予定である。また、2023年1月から6月までトロントで行われる「Thematic Program on Set Theoretic Methods in Algebra, Dynamics and Geometry」に部分的に参加する予定である。さらに、静岡大学(依岡と Mejia との共同研究)への国内出張も計画している。
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Causes of Carryover |
コロナ危機のせいで、全ての予定された海外出張が中止となり、予算の使い道がなかった。今後の使用計画について、「今後の研究の推進方策」で書かれている。
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