2018 Fiscal Year Research-status Report
Extremal combinatorics in discrete structues
Project/Area Number |
18K03399
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
徳重 典英 琉球大学, 教育学部, 教授 (00217481)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 組合せ論 / 離散極値構造 / 交差族 |
Outline of Annual Research Achievements |
極値組合せ論に関する教科書"Extremal Problems for Finite Sets"を書き上げ、全体を見直すなどの作業をおこなって、American Mathematical SocietyのStudent Mathematical Libraryから出版した(Peter Frankl氏と共著)。 互いにt点で交差する集合族の測度の積の最大値に関する研究をSang June Lee氏、Mark Siggers氏とおこない、交差族に関するAhlswede--Khachatrianの定理を拡張した。最大値とそれを達成する唯一の構造(極値構造)を決定し、測度の積が最大値に近い場合には、対応する集合族も極値構造に近いこと、すなわち、安定性があることも示した。さらに交差族が二つであることに特有の構造が生じることも明らかにした。結果については論文にまとめ、現在投稿中である。 n点集合のa点部分集合族とb点部分集合族が互いに交差するとき、そのサイズの積の最大値が一点を固定する集合族で達成されるためのa,bの条件について考察した。これは、nが2a以上、2b以上の場合にはErdos--Ko--Radoの定理の自然な拡張になることが知られているが、nが小さい場合については未知である。対応する測度版での考察からa,bに関する必要十分条件の予想を立て、その一部について証明した。 多重交差族のサイズ評価に関連して得られるある不等式について研究し、加藤満生氏、小須田雅氏と検討した。 これはn変数の多項式間の不等式であるが、計算機実験をおこなった結果nが小さいところでは正しいことを確かめた。 画像処理に関する文献収集、予備実験等をおこなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
極値集合論の教科書は基本的な結果の新しい証明や、最近の研究成果なども盛り込みつつ、予定通りに出版することができた。また二つの交差する集合族に関して、期待されていた結果や、新しい知見を得ることができ、これまでのところ研究は概ね順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
極値組合せ論に現れるさまざまな問題について、組合せ論的な手法、代数的な手法、確率論的な手法などを適宜用い、さらにこれらの手法を複合的に利用する可能性も追求しながら問題の解決をはかる、という目標にしたがってこれまで通りに研究を続ける。今年度は前年度に引き続きSang June Lee氏とMark Siggers氏との共同研究のとりまとめ、正則化の手法についての整理、再検討を行うほか、これらと並行して応用に関する情報収集等も行いたい。
|
Causes of Carryover |
学内業務の都合で予定していた国際学会への出席をとりやめたため残額が生じた。次年度の旅費として利用する予定である。
|
Research Products
(3 results)