2019 Fiscal Year Research-status Report
Extremal combinatorics in discrete structues
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18K03399
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
徳重 典英 琉球大学, 教育学部, 教授 (00217481)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 組合せ論 / 離散極値構造 / スライスランク法 / 交差族 |
Outline of Annual Research Achievements |
互いにt点で交差する集合族の測度の積の最大値に関する研究をSang June Lee氏、Mark Siggers氏とおこない、交差族に関するAhlswede--Khachatrianの定理を拡張し、その結果をEuropean Journal of Combinatorics誌に投稿中であったが、これについては若干の微修正の後、受理された。 n点集合のa点部分集合族とb点部分集合族が互いに交差するとき、そのサイズの積の最大値が一点を固定する集合族で達成されるためのa,bの条件について考察し、特にnが小さい場合に新たに生じる現象について得られた結果をまとめてDiscrete Mathematics誌に投稿中であったが、これについても若干の微修正の後、受理された。 有限体上のベクトル空間の部分集合で、連立方程式の解で指定される構造を含まないものの最大サイズに関する研究を見村万佐人氏との共同で開始した。9月に琉球大学で見村氏と集中的に議論し、いくつかの非自明な結果を得て、arXivに二本の論文(arXiv:1909.10507,arXiv:1909.10509)を投稿した。これらの結果を含むスライスランク法に関する講演を数理解析研究所で行われた研究集会でおこなった。その後もそれらの拡張等について引き続き共同研究を進めている。2月には琉球大学で見村氏、齋藤耕太氏と関連する話題について検討をおこなった。 雑誌「現代思想」(青土社)からの依頼でラムゼー型の定理に関する(非専門家向けの)expositoryな論説を書いた。一次資料を精査した結果、数学史的な事実とされるもののいくつかに誤りがあることもわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
投稿中であった論文2本は微修正ののちに受理された。さらに新たに開始した有限体上のベクトル空間における離散極値構造に関する研究についても見村万佐人氏と共同で一定の成果を得た。これまでのところ研究は概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
極値組合せ論に現れるさまざまな問題について、組合せ論的な手法、代数的な手法、確率論的な手法などを適宜用い、さらにこれらの手法を複合的に利用する可 能性も追求しながら問題の解決をはかる、という目標にしたがってこれまで通りに研究を続ける。今年度は有限体上のベクトル空間における離散極値構造の研究を行うほか、これらと並行して応用に関する情報収集等も行いたい。
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Causes of Carryover |
3月に予定していた出張が新型ウイルスの影響でとりやめになり残額が生じたが、次年度に沖縄で開催予定の研究集会等に利用予定である。
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Research Products
(6 results)