2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K03409
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
矢田 和善 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (90585803)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青嶋 誠 筑波大学, 数理物質系, 教授 (90246679)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 高次元バイアス項 / 高次元カーネルSVM / データ変換法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の基礎となる研究課題「高次元統計量における高次漸近論の開拓」に取り組み,各種高次元統計推測に,高精度な統計的理論と方法論を構築した. まず,カーネルを用いて高次元データを超高次元空間に射影し,高精度な分類を可能にするカーネルSVMについて,分類の一致性条件の導出とバイアス補正法を提案した.Nakayama et al. (2017, JSPI)で与えられた線形SVMの漸近理論に基づき,カーネルSVMにおける完全分類を達成するための十分条件を導き出した.この研究により,ガウシアンカーネルSVMは,共分散構造の差異まで考慮した分類を可能にすることができ,線形カーネルでは扱えなかった高次元非線形データに有効であることが理論的に示された.さらに,カーネルSVMの判別関数に,高次元バイアス項が含まれることを理論的に証明し,そのバイアス項を修正することで新たなバイアス補正カーネルSVM法を開発した. 一方で,昨年度の研究課題「高次元強スパイクモデルにおけるデータ変換法の確立」の研究を利用することで,高次元共分散行列の高精度な推測を可能にする手法も提案した.具体的には,高次元共分散行列の強スパイク構造をノイズ掃き出し法(高次元PCA法)で推定し,高次元弱スパイク構造をデータ変換法を用いたThresholding法で推定する.それらの構造が直交するように掛け合わせることで,高精度な高次元共分散行列の推定法を与えた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の基礎となる研究「高次元統計量における高次漸近論の開拓」が進んでいることからも,順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和元年度の研究を踏まえて,研究課題「新たな高次元スパースPCA法の考案」に取り組む. 研究代表者は Yata and Aoshima (2012, JMVA)でノイズ掃き出し法(高次元PCA)を開発し,解の一致性を誤差1/nのオーダーで示した.しかし,標本数nが小さいと精度が下がる.一方,Shen and Huang (2008, JMVA)は従来型PCAにスパースモデリング(SM)を融合し,PCAに簡易な解を与えた.しかし,従来型PCAは高次元小標本の枠組みに一致性をもつ解がないことが,Yata and Aoshima (2009, CSTM)で証明されている.本研究は,令和元年度の研究「高次元統計量における高次漸近論の開拓」を踏まえて,ノイズ掃き出し法をSMに融合させることで正則化ノイズ掃き出し法を考案し,少ない標本数でも高精度な解析を可能にする.さらに,Yata and Aoshima (2019, SJS)による高次元混合分布における幾何的一致性と正則化ノイズ掃き出し法を融合させることで,高精度な高次元クラスタリング法を提案する.
|
Causes of Carryover |
年度末に参加予定だった研究集会がCOVID-19の影響で中止になったため,繰越する。
|
Research Products
(33 results)