2019 Fiscal Year Research-status Report
レニー・ダイバージェンスに対する多層融合化規準への拡張と議員定数問題への応用
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18K03413
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
濱田 悦生 大阪大学, 基礎工学研究科, 特任教授(常勤) (20273617)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ダイバージェンス / モデル評価規準 / ロバストネス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の核心は, 『ダイバージェンスそれ自体で指数の最適解を与えることが出来ない場合, どのような指数の調整項を追加すれば最適解を得ることが出来るのか, またその一般化の定式化はどうなるのか』であり, 本研究課題の目的は, Renyi ダイバージェンスを基にして指数の調整項を付与した最適な一般化拡張ダイバージェンスの多層融合化した定式化とその議員定数問題への適用, となる. この核心と目的に対して, 2019年度における研究実績の概要は以下の通りである: 1番目の達成目標であるRenyi ダイバージェンスにおける指数の調整項の決定理論的候補 選定とその最適な指数の決定による拡張ダイバージェンスの定式化を行うことに関しては, 指数の調整項に対して objective general index の概念の適用を検討することが出来た. これは3番目の達成目標とのリンクすることになった. 2番目の達成目標に対しては2018年度において, 外れ値に強いロバストなダイバージェンスに関する共同研究の結果, 漸近的に選択の一致性と頑健性を両立する情報量規準を得ることが出来たことを踏まえて, 2019年度では3番目の達成目標である「一般化拡張ダイバージェンスでの指数に客観事前分布を適用して Bayes 法を利用した多層融合化ダイバージェンスの定式化の提案」を行うことに関しては, Bayes 客観事前分布によるモデル化における事前パラメータの最適化に向けて, 統計モデルのパラメータではなく事前パラメータに客観事前分布を想定した調整項を, 1番目の指数の調整項とリンクした形で検討を行った. これらを, 本研究における最終目標への足掛かりとする予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では, 2019年度には3番目の目標を達成する予定であった. 2018年度での課題も残っていたが, 指数の調整項に関して, 1番目の目標と3番目の目標をリンクすることが出来たこともあり, 2018年度の遅れに関しては, かなりカバーされたように思われる.
故に, 現在までの進捗状況としては, (2)おおむね順調に進展している, となる.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度の研究推進に対する方策は以下の通りである.
2019年度までの実績及び研究成果を踏まえて, 4番目の達成目標である「他のダイバージェンスに対する多層融合化ダイバージェンスの漸近的比較検討」を行うために, ベンチマークとなるモデル設定の下での大規模なシミュレーションを実行すると共に, 最終目標である「多層融合化ダイバージェンスを用いた一票の格差問題における議員定数問題への適用及び結果を踏まえた提言」を行うために, 議員定数問題での一票の価値に対する定数配分と一議席の価値に対する定数配分に対して, Alabama パラドックスを排除した除数方式における 丸め関数の最適性に関する合理的かつ数理的な根拠づけを, 多層融合化ダイバージェンスでの最適化として与え, その結果を社会的貢献となる提言として行うことを予定している.
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Causes of Carryover |
武漢ウイルス禍によって、2020年3月に参加予定であった日本統計学会春季集会が中止となり、参加旅費が浮いた形となったため、次年度使用額が生じた。 翌年度分として請求した助成金と合わせて、国内国外のシンポジウム参加費用と使用する予定である。
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Research Products
(1 results)