2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of efficient algorithms for complex and real algebraic constraints
Project/Area Number |
18K03426
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
佐藤 洋祐 東京理科大学, 理学部第一部応用数学科, 教授 (50257820)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | CGS / 根の連続性 / パラメーター / Border基底 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、パラメトリックな連立代数方程式の解の簡素な表現の実現とその効率的かつ高速な計算アルゴリズムの実現が重要な課題となっている。 2019年度に、連立代数方程式を構成する多項式が生成するイデアルが零次元で、かつイデアルの剰余環がなす線形空間の構造が不変であるような、パラメーターの空間において、連立代数方程式の根がパラメーターの関数として連続であることを証明した。この結果により、パラメトリックな多項式環におけるイデアルによる飽和イデアルの計算をパラメーター空間の必要最小限の分割で行うことが可能になるので、飽和イデアルのシンプルな表現が可能になる。しかしながら、イデアルの剰余環がなす線形空間の構造が不変であるような、パラメーターの空間の計算をどうやって行うかについての問題が解決されないままであったが、2020年度までにこの問題を部分的に解決した。イデアルが根基である場合は、CGS(包括的グレブナー基底)の代わりにパラメトリックなBorder基底を用いることで、パラメーター空間の必要最小限の分割が可能になることを証明した。さらに、パラメーター空間の分割ができるだけ少ないようなパラメトリックなBorder基底を効率的に計算するために、パラメーター空間の分割が少ないCGSを計算するための戦略をいくつか提案し、SageMath上でプログラムとして実装し計算機実験をおこない、これらの戦略が有効であることを確認した。 2021年度は、非等式による飽和イデアルの計算を取り込むことで、パラメーター空間の分割が少なくさらによりシンプルなCGSが計算可能であることを理論的に証明した。複素数及び実数領域の代数制約式に対するより効率的な限量子記号消去アルゴリズムの構築が可能になった。 2022年度は、具体的なアルゴリズムを構築し、SageMathによる実装を行い、アルゴリズムの有効性を実証した。
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