2019 Fiscal Year Research-status Report
A new type of volatility estimator defined by jump diffusion model
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18K03431
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
金川 秀也 東京都市大学, 共通教育部, 教授 (50185899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滑川 光裕 嘉悦大学, 経営経済学部, 教授 (60289931)
前園 宜彦 九州大学, 数理学研究院, 教授 (30173701)
税所 康正 広島大学, 工学研究科, 准教授 (70195973)
細野 泰彦 東京都市大学, 知識工学部, 准教授 (40157029) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 株価数理モデル / ジャンプ拡散過程モデル / ボラティリティ推定 / 複合ポアソン過程 / 確率微分方程式 / 日経225平均株価指数 / ダウ平均株価指数 / ヒストリカルボラティリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
日経225平均株価指数などの株価指数のボラティリティ推定において、株価過程の数理モデリングがその基礎理論である。実際の株価データ解析から従来のジャンプ拡散過程モデルの問題点を考察し、新たなモデルを提案することが本研究の主要テーマである。本研究の特徴である30年にわたる極めて長期間の株価データに対する数理モデルの構築とそのボラティリティ推定について分析した。 第65回理論応用力学講演会(2019年6月28日~30日、北海道大学)において、従来から知られている株価数理モデルでは不連続部分を表すポアソン過程の項と連続部分を表すブラウン運動の項が全く無関係である確率微分方程式によって構成されていたが、本研究における株価データ解析からポアソン過程の項にボラティリティが付随した新たな数理モデルが適切であることを発表した。 MODSIM2019(2019年12月1日~6日、オーストラリア、キャンベラ)においても同様の講演を行い、論文を発表した。 この新たな株価数理モデルから、これまで発表してきたボラティリティ推定法の有効性についての根拠となる理論が導かれる事を示し、論文「Proc. 23rd International Congress on Modeling and Simulation, 2019」および「応用力学論文集,2019」に発表した。さらに確率微分方程式による株価モデルの解析に超凖解析が応用できる事について応用数学の雑誌である「Applied Mathematics,2019」に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究において、株価データ解析からジャンプ拡散過程による株価数理モデルにおける複合ポアソン過程の項にボラティリティが付随した新たな数理モデルが適切であることを発表することができた。 ジャンプ拡散過程によるモデリングでは、そのジャンプ部分である複合ポアソン過程の派生要因はブラック・ショールズモデルのような連続過程がブラウン運動とランダムなボラティリティによって決まる単純な現象によって生じることと異なり、何らかの社会的、経済学的な要因が考えられる。提案した新たな株価数理モデルを用いて、従来よりもより正確に株価の変動要因を分析出来ることが期待される。 新たな株価数理モデルによって、本研究によって提案されたボラティリティ推定の合理性が示された。 これらの研究成果から、本研究の進捗状況は概ね順調であると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で提案されたボラティリティ推定の頑健性について、日本や米国だけでなく各国の株価指数を分析して検討する。さらに平均株価だけでなく、各企業の株価データについても同様の分析を行なう。 本研究は30年にわたる極めて長期間の株価データに有効である事が示された。数理ファイナンスでは短時間収益率の分析としてリアライズド・ボラティリティ推定量の研究が重要であるが、本研究手法が1時間、1分間などの短期間株価データ解析にどの程度適用できるか分析する。 さらに新たな研究手法として超凖解析を用いた確率微分方程式の分析を本研究に応用する。
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Causes of Carryover |
物品、特に消耗品の使用が予定よりも少なかったため。 差額は2020年度にUSBメモリーなどの消耗品の購入に使用します。 その他はほぼ予定通りに使用しました。
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Research Products
(10 results)