2019 Fiscal Year Research-status Report
Quantum Monte Carlo study on quantum magnets based on Majorana fermion representations
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18K03447
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
加藤 康之 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (50708534)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 量子スピン系 / 量子モンテカルロ法 / 量子スピン液体 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は単純なモンテカルロ法の適用では負符号問題が生じる系について研究成果を５報の論文として出版しました：（１）３次元カイラルスピン液体を安定化するハイパーノナゴンキタエフ模型の基底状態のトポロジカルな性質・有限温度量子モンテカルロシミュレーションによる相転移の解析，注目しているキタエフ候補物質として（２）f電子系，（３）複数のアニオンを有する系の具体的な物質の提案と各系における付加項の係数の見積もり，（４）磁場中キタエフ模型の連続時間量子モンテカルロシミュレーションによる解析，（５）遍歴電子系でみられる非共面的なスピン配置に起因する異常ホール効果の熱揺らぎによる異常増大の５報です．ハイパーノナゴンキタエフ模型のマヨラナフェルミオン表示を用いた量子モンテカルロシミュレーションによって，新しいカイラルスピン液体が安定化されることが見出された．さらに変分計算を用いてこの新しい相を含む基底状態相図を提案した．基底状態相図に現れた複数のカイラルスピン液体相のフェルミオン励起について調べ，そのフェルミオン励起スペクトルにワイル点が現れることを見出した．またそのトポロジカルな性質としてノード型とドラムヘッド型の表面状態が現れることを明らかにした．磁場中キタエフ模型の解析では，基底を工夫して負符号問題を軽減した量子モンテカルロ法により，有限温度有限磁場領域において，スピンが２種類のフェルミオンに分裂した常磁性領域が広範囲に現れることを明らかにした．特に強磁場領域と低磁場領域で質的に異なる磁気励起構造が現れることを見出している．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで磁場中キタエフ模型だけでなく，申請時には予想していなかった発展的問題の成果がでている．一方でマヨラナフェルミオン表示を用いたレフシッツシンブル法に基づいた量子モンテカルロシミュレーションの実装については継続的に研究を続けている．
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| Strategy for Future Research Activity |
レフシッツシンブル法に基づいた量子モンテカルロシミュレーションの実装については継続的に行い，実装例を示す予定である．また近年実験が急速に発展しているスピントロニクスに着目して，キタエフ模型を用いて各種外場によるスピンの応答に関する物理量の評価を行う予定である．
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| Causes of Carryover |
今年度は計算手法の開発に注力しており，計算機の新規導入が遅れた．来年度早急に新規計算機を導入する．
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