2019 Fiscal Year Research-status Report
Large-scale excited state calculations based on many-body perturbation theory
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18K03458
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
濱田 幾太郎 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (80419465)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高精度電子状態計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は多体摂動論に基づくGW/BSE方の大規模周期系への適用を可能とする効率的計算アルゴリズムのプログラムと開発を行う事を目的としている。昨年度は典型的な半導体・絶縁体についてのベンチマーク計算を行いGW計算コードの検討を行い、擬ポテンシャル依存性など幾つかの技術的な問題を明らかにした。本年度も引き続き固体系でのGWのベンチマーク計算を中心として研究を実施した。特にk点と基底関数の収束性が重要な系であるZnOを中心に計算を行った。どのような擬ポテンシャルを用いるべきかという方針は確立できたが、準粒子エネルギーを十分収束させるためには、基底関数の数に加えて極めて多くのk点数を用いる必要があることが明かになった。ZnOの準粒子エネルギーをより精度よく計算するためには、より多くのk点を用いるために対称性の導入などのプログラムの修正が必要となるが、大規模系の計算に向けては並列化効率等も含めて更なる検討が必要である。高精度な計算に向けては出発点となる波動関数を通常の局所密度/一般化密度勾配近似を用いたものではなく、混成密度汎関数を用いたものの必要が示唆される。またk点サンプリングが重要な電子状態について、数少ないk点を用いて計算した自己エネルギーからエネルギー依存シザーズ補正を行うことで、密度汎関数のレベルでも効率良く精度の良い計算ができることも確認できた。さらに高効率GW/BSE計算に向けて、最局在Wannier関数の導入も開始し、密度汎関数計算レベルで大規模系のWannier関数の計算が可能であることを確認した。今後はWannier関数生成の効率化を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
BSE計算の元となるGW計算コードの検証に多くの時間がかかっており、最局在Wannier関数を用いたGW計算コードへの効率的k点サンプリング手法の導入、および効率的大規模BSE計算アルゴリズムの詳細な検討が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き大規模GW/BSE法を共同で開発しているグループとの連携をより密にし、打合せ等を頻繁に連絡を取り合うことで研究の加速を行う。また独自のコードに加えて既存のコードも併用することで研究目標を達成する。
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Causes of Carryover |
当該年度は計算アルゴリズム・プログラム開発および開発したプログラムの検証を中心として研究を進め、大型計算機等の利用も最小限に抑えられ予算を効率的に利用することができた。次年度使用額は、本格的な大規模計算を実行するために、大型計算機の通常の利用に加えて、大規模系のベンチマーク計算とプロダクション計算を集中的に実行するための専用の大規模ジョブなどを利用するために使用する。
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