2020 Fiscal Year Research-status Report
Operational nonequilibrium statistical mechanics for isolated quantum systems
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18K03467
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| Research Institution | Seikei University |
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Principal Investigator |
門内 隆明 成蹊大学, 理工学部, 講師 (30514476)
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2018-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 非平衡統計力学 / 量子系 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
近年の量子操作技術の発展に伴い、冷却原子気体における熱平衡化や原子輸送をはじめとする非平衡過程について統計力学の重要テーマが盛んに調べられている。
非自明な保存量が充分沢山存在する可積分系において、初期非平衡状態はエネルギーや粒子数以外の保存量も取り入れた一般化ギブスアンサンブルに緩和することが主に数値計算によって確認されてきた。一方、一般化ギブスアンサンブルへの緩和のメカニズムや緩和時間、適切な保存量の特徴付け等については、現在理解が進みつつあり重要である。
本年度は、可積分系において部分系が熱浴との相互作用により如何に緩和するか、量子マスター方程式により緩和のメカニズムの解明に取り組んだ。具体的には、ハミルトニアンが2次形式で記述される全系の熱力学的極限について、部分系が熱浴の初期状態によって特徴付けられる一般化ギブスアンサンブルに対応する状態に緩和する条件を示した。熱浴の初期状態を、局所的にスクイージング等の摂動が加わった一般的なGaussianとしたときのマルコフ近似の扱いについて調べた。興味深いことに、摂動が局所的であっても量子マスター方程式において一般的なマルコフ近似に長時間領域においてはmixingに相当する条件を取り入れる必要があることが分かった。これは、孤立系の熱力学的極限におけるユニタリー時間発展について、mixingにより一般化ギブスアンサンブルへの緩和が起こることと整合する。
この成果について、専門誌に論文を公刊した。
また、輸送現象に関して、量子ドットを介して超伝導体間に流れるカレントに対する量子ゆらぎ定理について、共同研究および学会発表を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
可積分系の一般化ギブスアンサンブルへの緩和について、量子開放系の観点から知見を得て論文を公刊した。可積分系の緩和の解析だけでなく、量子開放系の解析方法に対しても理解が進んだ。
また、輸送現象に関しても、量子ドットを介して超伝導体間に流れるカレントに対する量子ゆらぎ定理について、共同研究を進めて学会発表を行った。
これらのことから、順調に進んでいると考えられる。
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| Strategy for Future Research Activity |
まずは、これまでの研究を継続し、可積分系における一般化ギブスアンサンブルへの緩和の更なる特徴付けを行う。
また、輸送現象に関して、量子ドットを介して超伝導体間に流れるカレントに対する量子ゆらぎ定理についての共同研究を進める。
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| Causes of Carryover |
covid-19の影響により、国際会議の旅費や参加費に充てる予定だった予算が未使用になったため次年度使用額が生じた。
使用計画としては、PCや周辺機器およびソフトウェア等の購入やcovid-19が充分に落ち着いた場合には旅費に充てる予定である。
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