2018 Fiscal Year Research-status Report
Clarification of the relationship between unconventional superconductivity and antiferromagnetic quantum critical points by the measurement of the coefficient of volume thermal expansion
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18K03508
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
田山 孝 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 准教授 (20334344)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 異方的超伝導 / 量子臨界点 / 体膨張係数 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は重い電子系超伝導体CeCoIn5(正方晶HoCoGa5型結晶構造)の温度-圧力相図における反強磁性量子臨界点の位置を特定し、異方的超伝導と反強磁性量子臨界点の関係を明らかにすることを目的に研究を行った。 InサイトをZnで部分置換すると格子定数が増大するがこれを負の化学的圧力効果とみなし,Zn濃度が最大7%までの数種類のZn置換系の単結晶試料を作成して、それぞれの試料の相転移温度を調べた。相転移温度の測定には、まず試料のa軸およびc軸方向の線膨張係数を高感度なキャパシタンス法により測定し,体積膨張係数から求めた。ここで2次相転移の場合,一般的にEhrenfestの関係式が成り立ち,転移温度の圧力依存性と転移温度における体膨張係数の不連続の定性的振舞いは直接関係している。CeCoIn5においては超伝導転移温度と反強磁性転移温度の圧力依存性は定性的に反対であるため,転移点での体膨張係数における挙動も正反対となる。このことに着目してZn置換系の超伝導転移温度と反強磁性転移温度をかなり正確に決定した。その結果,信頼性の高い温度-Zn置換濃度相図を得ることができ、Zn濃度5%以下において超伝導転移相内での反強磁性秩序を確認することができた。そしてCeCoIn5における反強磁性転移温度は絶対零度に近く、反強磁性量子臨界点はゼロ磁場近傍にあることが明らかとなった。 これらに加えて,キャパシタンス式膨張計と今後必要となるキャパシタンス式磁力計の改良も行った。それぞれの構造や材質をもう一度見直すことにより,測定感度の向上とバックグランドシグナルの減少させることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はゼロ磁場における体膨張係数の測定結果からCeCoIn5における反強磁性量子臨界点がゼロ磁場近傍にあることがわかり、温度-圧力相図における反強磁性量子臨界点の位置を明らかにするという初年度の研究目標を達成することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の予定は初年度の研究成果の論文投稿と、CeCoIn5における反強磁性量子臨界点がゼロ磁場近傍にあることをより明確なものにするため、磁歪測定とDC磁化測定の実験を行い温度-磁場-圧力相図の三次元相図を調べる予定である。
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Causes of Carryover |
今年度中に論文投稿が間に合わなかったため,論文掲載費として残してあった研究費が残ってしまったので、この費用は来年度に論文掲載費として使用する予定である。
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