2019 Fiscal Year Research-status Report
Study on stripe-type antiferro magnetic cuprates with the two-leg ladder structure
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18K03531
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
今井 良宗 東北大学, 理学研究科, 講師 (30435599)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 銅酸化物超伝導体 / 高圧合成 / 鉄系超伝導体 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に基づき，本年度は下記の研究を実行した．
（１）前年度までに，構築した高圧下の電気抵抗率測定システムを用いて，Mg1-xLixCu2O3の圧力下での電気抵抗率測定を行なった．圧力セルにはピストンシリンダータイプの圧力セル（最大到達圧力：2.9 GPa）を，圧力媒体にはダフ二オイル7373を用いた．圧力の印加に伴い，電気抵抗率が減少する様子を確認した．しかし，電気抵抗率に対する圧力の効果はそれほど大きくはなく，最大到達圧力においても電気抵抗率の温度依存性は絶縁体的なままで，金属化には至らなかった．電気抵抗率の温度依存性に対するアレニウスプロットから，エネルギーギャップを求めると，エネルギーギャップが消失するためには．数十GPaの圧力が必要であると考えられる．このような振る舞いは，梯子型銅酸化物(Sr,Ca)14Cu24O41において，圧力下で絶縁体から金属へと変化し，超伝導を示すのとは対照的な振る舞いである．この要因としては，（１）Mg1-xLixCu2O3の梯子の横木方向のCu-O-Cuの結合角が90度に近く，1次元性がより強いこと，（２）原子サイトの乱れ，の２つが考えられる．
（２）MgCu2O3と同じ結晶構造をとるCaCu2O3では原子サイトの乱れを抑制することができると考えられることから，今年度はまず常圧下における固相反応法を用いて，母物質CaCu2O3とCaサイトをNaで置換した試料の作製を行った．その結果，母物質に関しては単相の試料を得ることができたが，常圧下の固相反応法ではNaは困難であることがわかった．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は当初の研究計画に基づき，MgCu2O3においてマグネシウムサイトを系統的にリチウムで置換した試料に対して，圧力下における輸送特性の測定を中心に行った．圧力が輸送特性に与える影響は存外小さいものであった．また，CaCu2O3の元素置換はMgCu2O3の場合と比較して予想以上に困難が多いことが明らかとなり，想定よりも時間を要したが，それ以外に関しては，順調に研究計画に基づいて，研究を遂行している．
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| Strategy for Future Research Activity |
おおむね順調に研究が進んでいることから，基本的には，研究計画に基づいて，今後も研究を推進する．
MgCu2O3で金属化を阻害する要因となった原子サイト間の乱れは，マグネシウム，リチウム，銅が近いイオン半径を持つことに起因している．したがって，マグネシウムサイトをより大きなイオン半径を持つカルシウムとすることによって，原子サイトの乱れは大きく抑制されることが期待される．大きなイオン半径を持つカルシウムを含むCaCu2O3は常圧下の合成では元素置換が困難であったことから，高圧合成法を駆使して置換効果を今後検証していく．
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| Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で年度末に予定されていた学会や研究会等が相次いで中止されたことに伴い，出張が取りやめとなったため，旅費として執行を予定していた金額が次年度に繰り越されることとなった．
それ以外は，ほぼ計画通りに予算執行が進んでいるので，繰越金と次年度使用額をあわせて，研究計画に基づいて，研究活動を推進する．
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] キタエフスピン液体候補物質α-RuCl3における超高速スピンダイナミクス II2020
Author(s)
天野辰哉, 赤嶺勇人, 大橋拓純, 川上洋平, 伊藤弘毅, 今野克哉, 長谷川慶直, 佐々木宏也, 青山拓也, 今井良宗, 大串研也, 若林裕助, 米満賢治, 岩井伸一郎
Organizer
日本物理学会第75回年次大会
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[Presentation] キタエフスピン液体候補物質α-RuCl3における超高速スピンダイナミクス2019
Author(s)
天野辰哉, 赤嶺勇人, 大橋拓純, 川上洋平, 伊藤弘毅, 長谷川慶直, 佐々木宏也, 青山拓也, 今井良宗, 大串研也, 岩井伸一郎
Organizer
日本物理学会2019年秋季大会
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