2020 Fiscal Year Annual Research Report
Study on stripe-type antiferro magnetic cuprates with the two-leg ladder structure
Project/Area Number |
18K03531
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今井 良宗 東北大学, 理学研究科, 准教授 (30435599)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 銅酸化物超伝導体 / 高圧合成 / 鉄系超伝導体 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの研究によって,MgCu2O3に対してLi置換を行うと,原子サイトの乱れによってドープされたホールキャリアが局在することが明らかとなった.そこで,本年度は以下の研究を実施した. (1)MgCu2O3と同じ結晶構造をとるCaCu2O3に対して,CaサイトをNaで置換した物質の高圧合成を行なった.Ca,Cu,Naは,互いにイオン半径が大きく異なることから,原子サイトの乱れを低減することが可能であると期待される.しかし,高圧下では,無限層構造のCaCuO2が安定化し,擬1次元梯子構造の安定化は困難であることが明らかとなった. (2)(1)の研究から,MgサイトをCaで全置換することは困難であることが明らかとなった.そこで,Mg1-xLixCu2O3において,反強磁性転移温度が最も低い組成であるx=0.30にLi量を固定して,MgをCaで置換したMg0.7-yCayLi0.3Cu2O3を高圧合成法によって作製し,その電子物性を調べた.これは,Mg1-xLixCu2O3における原子サイトの乱れの主な原因を明らかにすること,そして,さらに乱れを低減することを目的としたものである.得られた試料に対して粉末X線回折実験を行なった結果,Ca量y = 0-0.20の試料では不純物ピークは観測されず,単相試料を作製することに成功した.磁化率の温度依存性を測定したところ,反強磁性転移温度は,Ca置換によって1 K程度低下するものの,その変化はそれほど大きくないことが明らかとなった.これは,原子サイトの乱れの原因は,主にCuとLiにより生ずるものであることを示唆している.
|
-
-
[Journal Article] Structural, electrical, magnetic, and optical properties of iron-based ladder compounds BaFe2(S1-xSex)32020
Author(s)
Satoshi Imaizumi, Takuya Aoyama, Ryota Kimura, Koya Sasaki, Yusuke Nambu, Maxim Avdeev, Yasuyuki Hirata, Yuka Ikemoto, Taro Moriwaki, Yoshinori Imai, and Kenya Ohgushi
-
Journal Title
Physical Review B
Volume: 102
Pages: 035104/1-13
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
-
[Presentation] キタエフスピン液体候補物質α-RuCl3における超高速スピンダイナミクス III2021
Author(s)
天野辰哉, 大橋拓純, 川上洋平, 伊藤弘毅, 今野克哉, 青山拓也, 今井良宗, 大串研也, 若林裕助, 後藤貫太, 中村優斗, 岸田英夫, 米満賢治, 岩井伸一郎
Organizer
日本物理学会第76回年次大会
-
[Presentation] 層状ハニカム構造を有する半金属RuI3の結晶構造と物性2021
Author(s)
那波和宏, 今井良宗, 藤原秀行, 髙橋遼太郎, 萩原雅人, 鳥居周輝, 奥山大輔, 平岡巧, 山田和奏, 青山拓也, 後藤弘匡, 大串研也, 佐藤卓
Organizer
日本物理学会第76回年次大会
-
[Presentation] Kitaevスピン液体候補物質RuX3 (X = Cl, Br, I)の配位子置換効果2021
Author(s)
藤原秀行, 今井良宗, 山田和奏, 平岡巧, 青山拓也, 髙橋遼太郎, 那波和宏, 萩原雅人, 奥山大輔, 鳥居周輝, 川股隆行, 後藤弘匡, 加藤雅恒, 佐藤卓, 大串研也
Organizer
日本物理学会第76回年次大会
-
-
-
-
-
[Presentation] Kitaevスピン液体候補物質ルテニウムハライドの高圧合成2020
Author(s)
今井良宗, 山田和奏, 藤原秀行, 青山拓也, 髙橋遼太郎, 那波和宏, 萩原雅人, 奥山大輔, 鳥居周輝, 川股隆行, 後藤弘匡, 加藤雅恒, 佐藤卓, 大串研也
Organizer
日本物理学会2020年秋季大会
-
[Presentation] Kitaev模型候補物質ルテニウムハライドの結晶構造と磁気構造2020
Author(s)
高橋遼太郎, 那波和宏, 萩原雅人, 奥山大輔, 鳥居周輝, 今井良宗, 山田和奏, 藤原秀行, 青山拓也, 後藤弘匡, 大串研也, 佐藤卓
Organizer
日本物理学会2020年秋季大会
-
-
-
[Presentation] Ligand substitution effect of Kitaev-spin liquid candidate materials RuX3 (X=Cl, Br, and I)2020
Author(s)
H. Fujihara, Y. Imai, W. Yamada, T. Aoyama, R. Takahashi, K. Nawa, M. Hagihala, D. Okuyama, S. Torii, T.Kawamata, H. Gotou, M.Kato, T. J. Sato, K.Ohgushi
Organizer
令和2年度 新学術領域研究「量子液晶の物性科学」領域研究会
-