2020 Fiscal Year Annual Research Report
Physical Properties at high magnetic fields and electronic states in heavy fermion system
Project/Area Number |
18K03537
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
海老原 孝雄 静岡大学, 理学部, 准教授 (20273162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 康弘 東京大学, 物性研究所, 准教授 (10292757)
関山 明 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40294160)
徳永 将史 東京大学, 物性研究所, 准教授 (50300885)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 重い電子系 / 強磁場 / 比熱 |
Outline of Annual Research Achievements |
Ce あるいはYb 元素を含む重い電子系物質では、4f 電子と伝導電子の相関に起因する近藤効果と磁気秩序が競合している。両相関の安定化温度がほぼ一致する量子臨界点では、量子力学的揺らぎが発達し、新奇な超伝導状態や非フェルミ液体状態などの特異な物性が発現する。量子臨界点の近傍に位置する非磁性の重い電子系物質では、磁場中でメタ磁性を示す場合があり、その発現メカニズムは、新奇超伝導などの特異物性の発現メカニズムと密接に関係すると考えられている一方で、メタ磁性メカニズムの詳細についてはまだ不明な点も多い。非磁性重い電子系のメタ磁性は量子臨界性と密接に関わっているため、量子臨界点近傍で現れる様々な異常物性のトリガーとなる。非磁性の重い電子系物質におけるメタ磁性と超伝導発現との関連性は興味深く、メタ磁性近傍での磁化率や比熱などの諸物性の測定を通じて電子状態を研究することでその関連性を明らかにできるため、本研究のような研究が待たれていた。 本年は、Ce あるいはYb 元素を含む重い電子系物質の高純度試料を得るべく、エレクトロトランスポート法による試料純良化を新たに開始した。一方、前年までに、磁場中の比熱測定を通じて電子比熱係数が磁場依存性を持つことを明らかにし、マックスウェルの関係式と呼ばれる熱力学的関係式でよく説明ができることを明らかにしたYbNi2Ge2の良い比較参照系であるCeNi2Ge2については、エレクトロトランスポート法によって処理した世界最高レベルの純度を持つ試料の提供を受けることに成功し、強磁場比熱測定のみならず、フェルミオロジーへの展開可能性を拡げる事に成功した
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Research Products
(4 results)