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2020 Fiscal Year Research-status Report

籠状構造による非調和格子振動とサイト選択的元素置換による新奇電子状態の微視的解明

Research Project

Project/Area Number 18K03544
Research InstitutionUniversity of the Ryukyus

Principal Investigator

與儀 護  琉球大学, 理学部, 准教授 (60404555)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywords籠状化合物 / 核磁気共鳴 / J多重項 / サイト選択的元素置換 / 多極子
Outline of Annual Research Achievements

本研究では結晶構造に籠状構造をとるRBe13(NaZn13型構造)とRRu2In2Zn18(CeCr2Al20型類似構造)に着目している。核磁気共鳴(NMR)や核四重極共鳴(NQR)を用いて、原子核周りの局所対称性や格子振動、4f 電子による物性への寄与を明らかにする事を目指している。
本年度はRRu2In2Zn18に着目し研究を実施した。LaRu2In2Zn18のInは3つあるZnサイトのなかの16cサイトに置換されていることを前年度見出したが、それと対応しないスペクトルも観測された。核スピンハミルトニアンの数値対角化によるシミュレーション解析を行った結果、96gサイトに置換されたInによる共鳴信号である可能性が高いことが分かった。16cサイトのInによる主要な共鳴スペクトルについて、核スピン-格子緩和時間T1を測定した結果、Pr3+の結晶場基底状態が非磁性基底状態であることを示す結果が得られた。関連物質であるPrTi2Al20やPrV2Al20と同様に、多極子由来の揺らぎや秩序状態が期待されることを見出した。
今年度は新型コロナ感染症のため研究遂行に制限が多く、予定した計画を完了することができず、延長手続きをとった。次年度は16cサイトのInについて、1K以下の極低温領域までの緩和時間測定を行う。また、96gサイトにあるInについても同様に測定を実施し、その違いを明らかにする。これらの結果を解析し、PrRu2In2Zn18の電子状態の解明を目指す。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本年度はPrRu2In2Zn18を中心にNQR測定を行った。測定に関しては新型コロナ感染症のため、想定外の遅れが出ている状況である。実験に制限がかかったため、得られているデータについての解析を中心に進めた。その結果、16cサイト以外の他のサイトに置換されたInが存在することを見出した。この発見により、複数サイトにおける微視的電子状態を調べることが可能となったため、今後NQR測定を行う予定である。

Strategy for Future Research Activity

PrRu2In2Zn18について、主要な置換サイトである16cサイトにあるInと96gサイトに置換されたInの両方について、1K以下の極低温領域までの緩和時間測定を行う。その違いについて明らかにし、本系における多極子の性質について明らかにする。
また、これまでの測定結果の取りまとめを行い、論文等の作成を行う。

Causes of Carryover

主要な理由は新型コロナウイルスにより予定した実験が行えなかったことである。次年度実施の極低温NQR測定には多くの寒剤(液体ヘリウム)が必要であるため、「次年度使用額」はこれに充てることを計画している。

URL: 

Published: 2021-12-27  

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