2020 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding giant transient responses in wear phenomena
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18K03565
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
山口 哲生 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (20466783)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波多野 恭弘 大阪大学, 理学研究科, 教授 (20360414)
宮元 展義 福岡工業大学, 工学部, 准教授 (80391267)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 摩擦 / 摩耗 / ソフトマター / 超音速 / 焼付き / 遷移 / ゲル / 動的接触理論 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では，摩擦現象に焦点を当て，過渡的かつ劇的な特性やそのメカニズムを調べる研究を行った．とりわけ，摩耗現象においては，摩擦発熱によって物性変化や化学反応が誘起され，ある条件では焼付きのような系の破局に至る巨大過渡応答を示すことが知られている．しかしながら，工学分野における膨大な実験研究にもかかわらず，現象の理解や動力学の制御にはほど遠い状況にあった．
そこで本研究では，可能な限りシンプルな設定をうえで，摩擦実験を実施した．可視化を通した変形・摩擦挙動の観察を容易にし，議論やモデル化を明確にすることを意図して，透明ソフトマター固体を用いた実験に取り組んだ．ソフトマターとして高分子ゲルを用い，摩擦発熱を強調するため，通常の条件に比べて10倍以上大きな超高速条件ですべり摩擦実験を実施した．
その結果，我々が知る限り世界ではじめて，S波を超えるすべり速度における摩擦挙動を
調べることに成功した．すべり速度を変化させ，摩擦係数や摩擦挙動を調べたところ，S波速度（15ｍ/s程度）を超えるとともに摩擦係数が急上昇することを発見した．また，それに伴い，ゲルが異常な変形を示すことを見出した．さらに，動弾性理論を拡張することにより，現象の解析的記述に成功した．
また，S波速度以下のすべり速度域に関しても，S波速度に近づくにつれて摩擦係数が急激に減少すること，接触させるインデンタの曲率半径への強い依存性があること，などが新たに見出された．
これらの研究成果の一部は，Physical Review Letters誌に報告された．
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