2019 Fiscal Year Research-status Report
Free-energy-landscape approach to glass transition and aging
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18K03573
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Research Institution | Rsearch Institute for Science Education, Inc. |
Principal Investigator |
小田垣 孝 科学教育総合研究所株式会社(研究・開発部), その他部局等, 主任研究員 (90214147)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 自由エネルギーランドスケープ / エージング / アダム・ギブス理論 / 温度変調応答 / 中間散乱関数 / アミロイドーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
・温度変調応答に関する論文の公表:T. Odagaki, Y. Saruyama, T. Ishida、"Relaxation of the free energy landscape and temperature modulation spectroscopy",Journal of Non-Crystalline Solids online (2019) ・エージングに関する研究発表:小田垣孝、"自由エネルギーランドスケープ理論によるエイジングの理解”(第125回日本物理学会九州支部例会}; 小田垣孝,”自由エネルギーランドスケープの緩和とエイジング”,(日本物理学会 2019年秋季大会); T. Odagaki, "Understanding aging phenomena by the free-energy-landscape approach", (APS March Meeting)(注:COVID-10により開催は中止され、online 発表のみ) ・自由エネルギーランドスケープの緩和が、中間散乱関数に非自明なエージング効果を生じることを世界で初めて示した。現在論文執筆中。 ・非平衡系における緩和の素過程に対するAdam-Gibbs 理論が、自由エネルギーランドスケープ描像により基礎付けられることを世界で初めて明らかにした。現在論文執筆中。また、アミロイドーシスのモデル化の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の3年計画の2年次までに掲げていたテーマをほぼ遂行できている。ただ、2月末に出発予定だったアメリカ物理学会が、COVID-19のために突如中止となり、予定していた旅費が執行できなかった(航空運賃のキャンセル料が発生した)。現在2報の論文執筆中であるが、COVID-19関係の研究が必要となり、エフォートを調整しつつ研究を遂行している。
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Strategy for Future Research Activity |
エージングに関する研究は、まとめの段階に入っており、論文を執筆・投稿する。昨年度の主テーマでったAdam・Gibbs理論の基礎付けは、理論が完成しているので、論文を執筆・投稿する。今年度は、繰り込み群を用いたガラス転移の統一的理解に向けた理論構築を行う。 この2年間の研究で、ガラス転移の本質に迫る新たな問題が生じており、来年度以後の研究に向けた準備を行う。また、アミロイドーシスに関する情報が集積できてきており、新たなモデル作りに向けた考察と議論を進める。
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Causes of Carryover |
3月2日~6日にアメリカ合衆国デンバーで開催予定であったアメリカ物理学会が、出発予定日当日にキャンセルされ、80万円ほどの旅費が執行できなかった。登録料は全額返還され、ホテルのキャンセル料は生じなかったが、航空運賃のキャンセル料が発生した。2020年度に関しても、出席予定であったチェコ共和国で7月に予定されていたLiquid Matter Conference が中止となっており、予断を許さない状況である。できる限り研究を推進し、国際会議での発表、あるいは海外の研究者との議論を積極的に行いたい。
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Research Products
(5 results)