2018 Fiscal Year Research-status Report

Investigation of interaction among large-scaled energetic particle-driven fluctuations and micro-scaled plasma turbulences

Research Project

Project/Area Number	18K03589
Research Institution	National Institute for Fusion Science
Principal Investigator	井戸毅核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (50332185)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	清水昭博核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (00390633) 谷池晃神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (50283916)
Project Period (FY)	2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords	高速イオン励起不安定性 / 乱流 / 電場 / 重イオンビームプローブ
Outline of Annual Research Achievements	負イオン源の出力の増加と安定性の向上により、極低密度(< 0.2×10^19 (m^-3))ではあるが、プラズマ中心領域近傍において、高速イオン励起帯状流と広帯域の周波数スペクトルを持つ微視的乱流と考えられる密度揺動の同時計測に成功した。高速イオン励起帯状流は間欠的に発生するが、この高速イオン励起帯状流の発生に伴い、プラズマ中心付近で平均電位が大きく負方向に振れ、周辺に近づくと正に振れる様子が観測された。またその際、微視的乱流と考えられる密度揺動が減少する様子が観測された。平均電位の変動は、定性的には、高速イオン励起帯状流による高速イオンの小半径方向への輸送の増加によって説明することができる。この時電場勾配は弱くなっているので、観測された密度揺動の低減は、電場勾配に伴うせん断流による乱流の低減という過程では説明ない。また、密度揺動の周波数は高速イオン励起帯状流の周波数よりも低いため、高速イオン励起帯状流に伴うせん電流による乱流低減でも説明できない。密度揺動低減の物理機構に関しては今後の検討が必要である。また、高速イオン励起帯状流の2次元構造を測定し、解析した結果、従来の標準的な理論予測と異なる空間構造が現れている可能性を示すデータが得られた。ただし、現時点ではデータが不十分であり、結論には至っていない。次年度にさらに詳細な実験を行う必要がある。高効率検出器開発の面では、設計計算を進め、ビーム入射角度及び検出素子の設置位置の最適化を行った。これにより、現実的な配置で製作が行えることが確認できた。これに基づき今後製作を進める。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned. Reason 本務として担当している加速器の重故障が重なり、その対応のため、開発研究に充てられる時間が当初の予定に比べて著しく減ったため、検出器の製作が完了しなかった。この点は当初の予定から遅れが生じている。一方で、イオン源の出力の増加と安定性の向上により、極低密度プラズマではあるが、本研究の目的としている高速イオン励起不安定性と、広帯域の周波数スペクトルを持つ微視的乱流と考えられる密度揺動の同時計測に成功した。この点は当初の予定以上の進展が得られている。
Strategy for Future Research Activity	平成30度に実施したデータの解析を進め、微視的揺動の空間分布、高速イオン励起不安定性の空間分布、平均電位の構造の関係を調べる。また、高速イオン励起不安定性はバーストとして発生するので、そのタイミングを基準にして、電場及び微視的揺動の変化のタイミングを調べ、それらの時空間構造を明らかにする。その際、共同研究者の支援を得て理論的な観点からの検討も進める。検出器の開発に関しては、前年度の設計計算に基づき製作を行う。その性能試験を、低エネルギービームを用いて行い、必要な性能が得られるかどうか調べる。これに加え、共同研究者との協力のもと負イオン源の高出力化開発を継続して行い、高精度化を進める。
Causes of Carryover	検出素子を購入する予定であったが、「現在までの進捗状況」で記載した通り、本務として担当している加速器の重故障が重なり、その対応のため、開発研究に充てられる時間が当初の予定に比べて著しく減り、検出素子の購入にまで至らなかった。設計計算は完了したので、次年度に購入する予定である。