2018 Fiscal Year Research-status Report
Study on transient response of impurity ion transport induced by electron heating
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18K03591
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
井戸村 泰宏 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究主幹 (00354580)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 核融合 / 不純物輸送 / ジャイロ運動論 / 新古典輸送 / イオン温度勾配駆動乱流 |
Outline of Annual Research Achievements |
プラズマ乱流を介した間接的な炉心制御手法の開発に向けて、プラズマ加熱に対する過渡的プラズマ応答の理解が重要な課題となっている。本研究では、変調電子加熱実験で観測されている不純物イオン輸送の過渡的応答を明らかにするために、大域的full-fジャイロ運動論コードGT5Dを多種イオン系モデルに拡張し、最先端スーパーコンピュータを駆使してエネルギー閉じ込め時間スケールの数値実験を実施する。これにより原子番号Zの異なる様々な不純物イオンの電子加熱に対する応答を再現し、不純物イオン輸送の過渡的応答をもたらす非局所、非線形、かつ、電子・多種イオンを含む複数輸送チャネルが相互作用するプラズマ輸送現象を解明する。 今年度はGT5Dを多種イオン系モデルに拡張した。特に、異種粒子衝突演算子に関しては、電子やバルクイオンとの質量比が極端に大きく、衝突演算子のクーラン条件が厳しいタングステン等の高Z不純物の解析に向けて、衝突演算子の陰解法ソルバを開発した。新古典輸送理論に対する不純物の衝突性輸送を検証し、低Z不純物から高Z不純物まで新古典輸送理論を定量的に再現できることを確認した。また、GT5Dにおける従来の運動論的電子モデルでは無視していた対流セル(トロイダルモード数n=0、ポロイダルモード数m=1の静電ポテンシャル)の不純物輸送への影響を調べるために、運動論的電子モデルを改良し、対流セルを含む数値実験を可能とした。次年度以降のプロダクション計算に向けてこれらの開発モデルを統合し、さらにメニーコア計算機向きの省通信アルゴリズムを導入することで並列計算性能を向上した。次年度はバルクイオンに比べて低密度のトレーサー不純物を含むイオン温度勾配駆動乱流の数値実験を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に予定していた大域的full-fジャイロ運動論コードGT5Dの多種イオン系モデルへの拡張を完了した。これに加えて、2018年に発表された不純物輸送の大域的乱流輸送解析に関する先行研究の議論を反映して、当初予定していなかった運動論的電子モデルの改良を実施した。これにより、次年度のプロダクションランの準備が完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に多種イオン系モデルへの拡張、および、運動論的電子モデルの改良を完了した大域的full-fジャイロ運動論コードGT5Dを用いてトレーサー不純物を含むイオン温度勾配駆動乱流の数値実験を実施する。今年度に実施した予備的な数値実験結果から、トレーサー不純物間の相互作用は無視できることがわかったため、次年度に予定しているプロダクション計算では、単一の数値実験において複数粒子種のトレーサー不純物を同時に解析することで計算コストを削減する。
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Causes of Carryover |
今年度のコード開発に必要な計算が想定より小規模であったため、原子力機構の計算資源を用いて研究開発を行うことができた。このため、スーパーコンピュータ利用負担金が未使用となった。当該予算は次年度以降のプロダクション計算のためのスーパーコンピュータ利用負担金として利用する。
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Research Products
(10 results)