2020 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding of mode combinations between Magnetohydrodynamic instabilities for steady-state operations in tokamak plasmas
Project/Area Number |
18K03592
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
東條 寛 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 那珂核融合研究所 先進プラズマ研究部, 主幹研究員 (80549212)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | トカマク / 負磁気シア / ディスラプション / 抵抗性壁モード |
Outline of Annual Research Achievements |
トカマクプラズマの原型炉を経済性が高い状態で定常的に運転するには、プラズマ圧力を高め、圧力勾配により駆動される自発電流を高める必要がある。本研究では、これまで十分な議論がなされていなかったプラズマ圧力を高めていく過程でプラズマ電流が消滅するディスラプションが発生するパラメータ領域と不安定性モードを70%もの高自発電流割合に到達しうるプラズマについて特定することができた。 JT-60U装置でプラズマ圧力を形成する過程であるプラズマ電流立ち上げ中・直後に着目したところ、105放電のうち25%程度の割合でディスプラションが発生していることがわかった。詳細な解析で以下の2点を明らかにした。(1)ディスラプション直前に観測される低波数の不安定性モード(n=1:nはトロイダル方向のモード数)の前兆振動に関し、観測される空間構造が理想MHDモード安定性評価用コードで予測したn=1モードの空間構造と一致すること。(2)前兆振動の成長はアルベン速度の時間スケールより長いこと。上記2点によりこのディスラプションは抵抗性壁モードに起因することを初めて示した。加えて、ディスラプション直前のプラズマパラメータを調査したところ、プラズマ表面の安全係数と最大イオン圧力勾配に正の相関があることが確認された。観測された相関はディスラプションが抵抗性壁モードによって引き起こされているという解釈と矛盾しない。 本研究で規格化圧力が低い条件(1.3程度)でも抵抗性壁モードによってディスラプションが発生することが初めてわかった。抵抗性壁モードはプラズマの回転制御、コイルによる磁場の摂動印加が有効である。それらを利用したプラズマ制御により運転領域が広がる。上記を加味した運転シナリオ作成は今後の課題として残っているが、本研究によりプラズマ圧力が低い段階でのディスラプション回避に道筋をつけることができた。上記の内容をまとめ学術論文1報を投稿した。
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