2022 Fiscal Year Annual Research Report
Fusion reactor concept with high social acceptance through a radioactive waste management strategy
Project/Area Number |
18K03595
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
染谷 洋二 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 六ヶ所研究所 核融合炉システム研究開発部, 主幹研究員 (20589345)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 核融合原型炉 / 廃棄物管理 / 再利用 / リサイクル |
Outline of Annual Research Achievements |
放射性廃棄物の対策は核融合炉開発の社会的受容性を左右する重要な因子の一つである。特に高エネルギーの中性子で照射される核融合炉の炉内機器は、定期的に保守交換を必要とし、交換ごとに発生する放射化機器は廃炉時に発生する廃棄物量の半分程度にまで至る。本研究では、定期保守時に発生する放射性廃棄物の大幅低減に向けたマネージメント戦略を策定し、この知見から核融合炉設計に必要な設計要件を構築すると共に社会受容性の高い核融合炉概念の創出を目指している。 2022年度は、定期的に交換される炉内機器のプラズマ対向材(タングステン)におけるトリチウムインベントリを正確に評価するために、トリチウム拡散の過渡解析を実施し、定常に至るまでの運転期間を評価した。評価した結果、各箇所での運用期間後のトリチウム滞留は、ブランケット第一壁とダイバータターゲット部で飽和に至り、ダイバータバッフル部では1/10程度になると分かった。また、最新の原型炉設計を考慮して炉内機器の交換周期をベースにリサイクルの有効性を分析し、中性子損傷量が小さい機器の再利用を考慮した場合、ワンススルーで全てを廃棄する場合に比べて4割程度削減できることが分かった。なお、中性子増倍材であるベリリウム内のウラン不純物は浅地中処分を実施するために0.7 wppm以下にする必要があるが、量研が開発した化学処理とマイクロ波加熱を組み合わせた手法を用いると0.1 wppm以下に出来ることが分かった。さらに原型炉の出力を1.5GWから1.1GWまで低減できれば、原型炉で発生する最大放射能レベルのブランケット第一壁でさえも100年間保管後には遠隔機器によるリサイクルが可能になると分かった。これらの結果は、原型炉で発生する放射化物の核特性を理解し、リサイクル及び再利用を考慮することで、原型炉で発生する放射性廃棄物を大幅に低減できることを示唆している。
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