• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2020 Fiscal Year Research-status Report

Research on Quantum Gravity by W-operators

Research Project

Project/Area Number 18K03612
Research InstitutionTokyo Institute of Technology

Principal Investigator

綿引 芳之  東京工業大学, 理学院, 助教 (40212328)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2023-03-31
Keywords量子重力 / W代数 / Jordan代数 / THT膨張 / インフレーション / 編み上げ機構 / Coleman機構 / 弦理論
Outline of Annual Research Achievements

2020年度は,予定していた海外の研究会での手ごたえは得られなかった。オンラインによる出席はしたが,宇宙論という他分野への周知のための布石を作るという意味では,誰がキーマンになっているのかわからず,よい手ごたえは得られなかった。これについては,海外渡航が可能になると思われる2022年度に再チャレンジするつもりである。2020年度の海外発表はこのような事情であったが,2018年度から続けていた研究を本論文という形でまとめることができ,発表後もさらなる進歩があった。

本論文では,既に得ていたW★代数の最初の数項を増やし,2018年度では代数の演算子の外線が4個までであったのを2019年度では6個まで拡張した。その結果,4個では分かりにくかったが代数の構造が,6個まで拡張したことで従来知られているW∞代数と似たような構造があることが発見でき,これを本論文にまとめることができた。本論文発表後の研究では,これが無限個まで成り立つことが証明できたが,W∞代数の完全な形を求めるには至っていない。今後はこの研究を続け,成果を近々発表する予定である。宇宙論の分野では,2次元時空のColeman機構を調べ,論文として発表した。2次元時空では宇宙項がゼロになるメカニズムは働かないことがわかったが,これは宇宙項が必要な編み上げ機構にとっては好ましい結果である。また,最近では,宇宙背景輻射の揺らぎの原因やビッグバンのときに生じるエネルギーの原因を突き止めることに成功した。これについては,現在,論文にまとめている。

今年度は新型コロナの情勢があり,研究会への出席よりも研究の方に重点を置いた。従来の理論ならともかく,新しい理論の発表では一から全てを説明するため,オンラインの発表は難しいものがある。しかし,これほど理論を精査しても理論的な障害が見つからないのは驚くべきことだと感じている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

コンピューターによる計算については遅れているが,理論的な理解,特に,宇宙論に関する理解は当初より進んだため,全体としては予定通りと言ってよいと思う。

Strategy for Future Research Activity

2021年度は,2020年度ではできなかったコンピューターによる計算を進め,Jordan代数の表現論をさらに詳細に調べて,W★代数の数学的な構造の全容を把握する。これと同時に,この理論に現れる物質場が編み上げ機構とColeman機構でどのような役割を果たすのか調べる。これらの問題については,高次元化によって得られる時空の次元が弦理論や膜理論の時空の次元と一致するという事実が手掛かりになるはずである。
2022年度以降はさらなる理解に達成することを期待している。もちろん,新たな問題に直面することはあるかもしれないが,W★演算子による量子重力理論自体は,非常によくできた理論であることは間違いないので,それなりの成果は見込めると信じている。事実,宇宙の加速膨張の理論的な説明はその一例である。臨界次元を持たない超弦理論の研究も同時に行う必要があると思われるが,これについては既に理論的な道具立てが1980年代以来の超弦理論の研究により完成しており,この方面については理論的な困難はないと思われる。

Causes of Carryover

新型コロナの影響で海外出張ができず,予定していた海外の研究会への参加が十分できなかったため,出張費用が少なくなった。しかし,出張の代わりに,在宅の研究時間が増えたことで理論の数学的な構造の理解が進み,コンピューター計算による手法が以前想定したよりも重要になってきた。当初の計画では,令和3年ではコンピューターによる追試を予定していたが,この予定については基本的には変更なしだが,上記の理由で出張が減った分の予算を少しだけこちらにまわすつもりである。

  • Research Products

    (4 results)

All 2021 2020 Other

All Int'l Joint Research (2 results) Journal Article (2 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results,  Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results)

  • [Int'l Joint Research] Niels Bohr Institute(デンマーク)

    • Country Name
      DENMARK
    • Counterpart Institution
      Niels Bohr Institute
  • [Int'l Joint Research] Radboud University(オランダ)

    • Country Name
      NETHERLANDS
    • Counterpart Institution
      Radboud University
  • [Journal Article] Wormholes, a fluctuating cosmological constant and the Coleman mechanism2021

    • Author(s)
      J. Ambjorn, Y.Sato, Y. Watabiki
    • Journal Title

      Physics Letter B

      Volume: 815 Pages: 136152

    • DOI

      10.1016/j.physletb.2021.136152

    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
  • [Journal Article] Models of the Universe based on Jordan algebras2020

    • Author(s)
      J. Ambjorn, Y. Watabiki
    • Journal Title

      Nuclear Physics B

      Volume: 955 Pages: 115044

    • DOI

      10.1016/j.nuclphysb.2020.115044

    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2021-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi