2021 Fiscal Year Research-status Report
Space-time symmetry and particle physics
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18K03633
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
藤川 和男 国立研究開発法人理化学研究所, 数理創造プログラム, 客員研究員 (30013436)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | パリティ / マヨラナ粒子 / マヨラナニュートリノ / CP変換 / カイラル量子異常とBerry位相 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は海外渡航はできず、科研費の主たる使途としての海外旅費の使用は無く、したがって科研費の実質的な使用もゼロであった。しかし、一部過去の共同研究の実績をまとめる意味で中性子から反中性子への振動の共著の論文を一本作成した。この研究は、今後の実験的な研究を行うのに非常に役立つ結果であると考えている。また、申請者独自の研究も進め、論文も出版された。 現在、共同研究者であるHelsinki 大学の研究者と連絡を取っており、もし状況が許せ 2022年度の9月以降に2ないし3週間程度の短期の訪問を計画している。海外共同研究のテーマである中性子ー反中性子振動は、かなり古いテーマであるが、この問題の理論的な側面として、パリティ演算子の問題がある。よく知られているように、マヨラナ粒子のパリティは、ディラックの行列でiガンマーゼロを用いるのが最も自然である。しかし、我々が見だしたのは、通常のガンマーゼロ行列を用いる変換が、中性子ー反中性子振動が起こるか否かの判定条件を与えるという事実である。これは非常に簡単であるが有用な判定条件である。最近の潮流としては、中性子ー反中性子振動をより広い宇宙論的な問題の一部として考察することがあり、我々もこの関連を考察したいと思っている。 申請者独自の研究としては、Berry位相に付随した新しい種類の磁気単極子の問題があり、この物理現象への可能な応用も今後考えたい。特にこの特殊な磁気単極子は双極子へスムーズに転移する可能性を示しており、その意味するところも考察したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外渡航が不可能な状況で、海外共同研究としての研究はこれまでの実績をまとめて出版した以外は新しい進展はなかった。しかし、申請者単独での新しい方向の研究を続けて、論文も出版された。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナの状況が落ち着けば、申請者はHelsinki 大学を2ないし3週間訪問し、共同研究を再開して今後の方針を確認するつもりである。相手方の研究者との共通のテーマは、Helsinki大学のセミナーにもWebで参加して議論し、今後の可能なテーマとなり得る話題も確定している。もちろん、実際の現地での議論とか進行状況に応じて、新しい方向の研究もあり得る。いずれにしても、その後はWeb等での連絡を通じて、共同研究の成果を完成させる予定でいる。同時に、国内での独自の研究も推進する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナによる海外渡航の禁止に伴い、主たる支出項目である海外旅費が使用できなかった。また国内旅行も控えたため、実質科研費の使用はゼロになった。
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Research Products
(6 results)