2021 Fiscal Year Research-status Report
相対論的磁気流体シミュレーションで迫る活動銀河核ジェット形成と伝搬・放射の物理
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18K03634
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
水田 晃 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 研究員 (90402817)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ブラックホール / 一般相対性理論 / 宇宙ジェット / 磁気流体力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
ブラックホール降着流は降着円盤内部で磁場増幅、飽和、散逸が繰り返されており、この過程を捉えるには高解像度計算が重要となってくる。系の時間進化とジェット形成を考えるために3次元一般相対論的磁気流体コードの開発、改良を行った。1次元の特殊相対論及び、一般相対論を考慮したテスト計算において、いくつかの数値流束、空間高次精度化で実験をし、空間高次精度化では設計どおりに解のエラーの解像度依存性から1次精度、2次精度が実現なっていることを確認し、他のグループのテスト計算結果との比較した。また、多次元計算として回転するブラックホール周りの降着円盤のテスト計算を行っている。計算の肝の一つである時間積分によって得られる運動量密度、エネルギー密度等の更新された保存量から質量密度、圧力、4元速度などの基本量の導出に問題がある時のために、この導出で必要となる方程式の解の導出のために、1次元、2次元のニュートン法が提案されおり、ニュートン法を適応する方程式も道変数を含む項を両辺で割ることにより、関数の形を変えることによって収束の仕方が大きく変わる。そのためある手法で決められた回数で解が収束しない場合、スイッチングで他の手法に切り替えるようにしている。また、ニュートン法を用いる時の初期推定値に関しても工夫をし、より計算が長く行えるように改良した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コードが概ね完成し、コードの詳細に関する論文を執筆している。また、ブラックホール周りの降着円盤の計算を行うためコードの並列化の効率向上など応用計算に向けて準備をしている。
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Strategy for Future Research Activity |
一般相対論的磁気流体コードに関して論文としてまとめる。テスト計算は限られた解析解が求められた状況や、簡単な初期条件設定でしか行っておらず応用計算としてブラックホール降着流に応用する場合、物理的に正しい解となっているか慎重に見極める必要がある。応用計算としては、円盤内部の磁気活動性に起因する時間変動性とブラックホールスピンに関する大規模計算を進め、降着流や極軸に沿って形成されるジェットの時間変動性を議論していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナの感染拡大の状況が続き、研究打合せや、成果発表のための出張を見合わせたため。
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