2019 Fiscal Year Research-status Report
Search for new physics via verification of Higgs interactions based on effective field theories
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18K03648
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
馬渡 健太郎 岩手大学, 教育学部, 准教授 (90814096)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ヒッグス粒子 / ヒッグス粒子の崩壊 / 付加的ヒッグス粒子の生成 / 素粒子標準理論を超える物理 / 拡張ヒッグス模型 / 超対称性模型 / 精密計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に発表した質量125GeVのヒッグス粒子崩壊幅に関するレター論文を発展させ、全ての崩壊モードについて量子効果を通して現れうるまだ未発見の重いヒッグス粒子の寄与を詳細に研究した [Nucl. Phys. B 949 (2019) 114791]。またその成果を誰もが数値計算できるようにプログラムをまとめH-COUP version 2 として一般公開した。将来の高輝度LHC実験、岩手で建設が期待されている国際リニアコライダー(ILC)実験ではまさに、ヒッグス粒子崩壊が精密に測定されることが期待されており、本研究は非常に重要となる。 本研究課題では、すでに発見された質量125GeVのヒッグス粒子の性質の素粒子標準理論からのズレに注目し新物理を探ることを大きな目的としている。新物理模型の一つであるTHDM (two Higgs doublet model)における付加的ヒッグス粒子のヒッグス崩壊幅への影響を調べている過程で、そのヒッグスポテンシャルが持つ対称性と付加的荷電ヒッグス粒子の生成に興味深い関係があることを発見し発表した [Phys.Lett. B 797 (2019) 134854]。 標準理論を超える物理として最有力候補である超対称性模型について、ヨーロッパに在留していた3、4年前から取り組んでいた研究課題がようやくまとまり発表した [JHEP 1912 (2019) 008]。本研究課題には直接関係しないが、新物理の最有力候補であるという点、精密計算という点において本研究課題の遂行に間接的に貢献している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和初年度は、10月に大阪大学から岩手大学へ移動したことに伴い、研究の遅れが懸念されたが、結果的には国際専門誌において3本の論文を発表、それに基づく学会発表を10件(うち招待講演7件、国際会議7件)行うことができ、全体としておおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度、次年度に行った模型(拡張ヒッグス模型や超対称性模型等)を仮定するトップダウン的アプローチに加えて、最終年度である今年度はボトムアップ的アプローチである有効場理論に基づく研究を発展させ、本研究課題の総括を行いたい。
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Causes of Carryover |
2019年3月に参加予定にしていた研究会や物理学会が、新型コロナウイルス感染症拡大のため延期、中止になり、そのための旅費予算を次年度に繰り越すこととした。
新型コロナウイルス感染症の収束具合にもよるが、この研究課題の最終年ということで総括のための研究会を開きたい。
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Research Products
(19 results)