2021 Fiscal Year Research-status Report
黒様体法を用いた高次元ブラックホールの流体力学的解析
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18K03652
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
宮本 雲平 秋田県立大学, 総合科学教育研究センター, 准教授 (70386621)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 重力 / ブラックホール / 流体 / 一般相対論 / 自己相似解 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,高次元ブラックホールのダイナミクスを重力の運動方程式であるアインシュタイン方程式の直接積分ではなく,流体力学へ帰着させてから解く黒様体法と呼ばれる方法で解いていく.特に,ブラックストリングと呼ばれる高次元ブラックホールのグレゴリー・ラフラーメ不安定性の最終状態という四半世紀の謎を解くべく,円筒状ブラックホールや円筒状流体のダイナミクスを解析する. 本年度は,研究計画の終盤における一つの山場である,ブラックストリングに相当する相対論的流体のスケーリング解を数値的に求めることに取り組み,一定の成果を得ることができた.ただし,解空間の全貌を知るには引き続き数値解析を続ける必要がある.また,考えている重力系におけるスケーリング解の存在について幾つかコンセプチュアルな問題も生じたため,最終的な結論には至っていない. また,今年度は上記問題と深いかかわりのある任意次元における軸対称流体の静的解について,解の分岐構造と安定性を分類する問題に取り組み包括的な理解に達することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
数値解を探し当てることができたが,解空間の構造が当初予想していたより複雑であり,全貌を把握するのに時間がかかっているため.
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Strategy for Future Research Activity |
スケーリング解を探す数値解析を続ける.また,その解を基に物理的考察(宇宙検閲官仮説の検証)などを引き続き行う.論文執筆を行う.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の拡大に伴い,研究討議のための出張を延期したため.
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Research Products
(1 results)