2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18K03663
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原田 健一 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 講師 (00515447)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 光格子 / 原子・分子分光 / 光学磁力計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、極低温まで冷却されたルビジウム(Rb)原子を光格子中に閉じ込めることで長いコヒーレンス時間を実現し、高感度かつ空間分解能の高い磁力計の開発を目指し研究を行った。磁場変動を高感度かつ高い空間分解能で測定する技術は様々な分野で必要とされており、常磁性であるアルカリ原子を用いることで、磁場変動に対して高感度の測定を可能とする。 今年度は、磁気光学トラップ(MOT)と偏光勾配冷却によって100 μK以下まで冷却されたRb原子を用いた磁場計測を行った。原子を捕獲する光源とは別に、磁場を測定するためのプローブ光を用意し、Rb原子の共鳴波長である795 nmで発振させた。プローブ光は2つに分けられ、1つは電気光学変調器によって位相変調され、光源の周波数安定化に用いられた。もう一方は、光の強度を変調するために音響光学変調器(AOM)によって回折され、その後、磁場測定のためにRb原子に照射された。環境からの磁場を精密に補正するために真空チャンバーの周りに3軸のヘルムホルツコイルを設置し、また原子に磁場を印加するため、別のヘルムホルツコイルを1組用意し、プローブ光と磁場方向が直交するように設置した。コイルに流す電流源には精度の高いものを用い、コイルからの磁場を安定的に精度よく発生させた。磁場を測定する際はMOTの四重極磁場を切って測定を行った。原子を通過してきた光は、偏光ビームスプリッター(PBS)によって2つに分けられ、それぞれ検出器によって測定され、その強度の差を取ることで歳差信号を取得し、回転角度を見積った。
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