2020 Fiscal Year Annual Research Report
Reduction of Tl-208 decay backgrounds for neutrinoless double beta decay experiment using Zr-96
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18K03664
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
福田 善之 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (40272520)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ニュートリノ / チェレンコフ光 / パルス波形分別 / 二重ベータ崩壊 / バックグラウンド除去 / 位相幾何学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はZICOS用液体シンチレータがエネルギー分解能の高精度測定と、1MeV程度のエネルギーの電子から放射するチェレンコフ光とシンチレーション光を波形分別する手法の開発を目的としている。まず、120mLバイアルにライトガイドを設置し、2インチ光電子増倍管H6410を4本配置してZICOS用液体シンチレータのエネルギー分解能を測定した。Na-22の1.275MeVのガンマ線を入射させ、後方110度に散乱されたガンマ線を検出することにより液体シンチレータ中に982keVの単色電子を発生させたところ、エネルギー分解能として7.0%が得られた。光電子増倍管の集光率が20%であることから、60%に換算すると2.2%@3.35MeV相当であることがわかった。また、ZICOS実験用液体シンチレータを充填した20mLバイアルに光電子増倍管H2431-50(上昇時間:0.7ns、TTS:0.37ns)に設置し、Co-60、Cs-137、Ba-133、Co-57からのエネルギーの異なるガンマ線を入射させ、V1751(2GS/s)デジタイザを用いてパルス波形を計測した、チェレンコフ光を放射するエネルギー閾値以下であるCo-57の波形はシンチレーション光のみと考えられるため、他のガンマ線による波形と比較したところ、立ち上がり波形に明確な相違が観測された。波形のピークを60nsとした時、57.0nsecから58.0nsecの3ビンの波形をテンプレートとしてカイ2乗検定を行ったところ、カイ2乗値が0.1以上はチェレンコフ光を含む事象であると判断できることがわかった。更に、この手法を用いて散乱電子の方向性を計測したところ、方向性が存在しない場合と2.8シグマ異なる結果を得た。これにより1MeV程度の電子から放射されるチェレンコフ光の位相幾何学的情報が有効であることを世界で初めて立証できた。
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Research Products
(15 results)