2018 Fiscal Year Annual Research Report
Search for hadronic origin emission from relativistic jets explored by multi-messenger approach
Project/Area Number |
18K03665
|
Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
林田 将明 甲南大学, 理工学部, 特別研究員 (60705177)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 勝晃 東京大学, 宇宙線研究所, 准教授 (80399279)
間瀬 圭一 千葉大学, 大学院理学研究院, 助教 (80400810)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 相対論的ジェット / ブレーザー / 宇宙線起源 / 高エネルギーガンマ線 / 高エネルギーニュートリノ / マルチメッセンジャー観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
南極の氷を巨大検出器とするIceCube実験は、宇宙からの超高エネルギー(>100 TeV)ニュートリノを有意に100近い候補事象を観測していたが、その起源天体の同定が大きな課題であった。2018年7月、相対論的ジェットを持つ活動銀河核ブレーザー天体TXS0506+056が、IceCubeにより観測された高エネルギーニュートリノ事象IceCube170922Aの起源天体であることを強く示唆する結果を遂にScience誌に発表した。これは、TXS0506+056がガンマ線にて通常の約6倍明るくなっていた時に同期してニュートリノIceCube170922Aが検出された結果であり、研究代表者は特にフェルミ衛星によるガンマ線観測のデータ解析に貢献した。ここで、この天体のガンマ線フレアと本ニュートリノ事象検出とが偶然同時に起こる事象は約3シグマ(post-trial)で棄却できることを統計的に示した。さらにTXS0506+056からは同時期に100 GeV以上のガンマ線も検出された。これらの結果から銀河系外の宇宙線起源天体候補を同定したことを示唆する初の観測的証拠となった。また本結果を受け、ブレーザーTXS0506+056と同種の性質を持ち陽子起源天体となりうるブレーザー(BL Lac)天体を選定しリストを作成した。 放射モデルに関して、従来の研究にて、ブレーザー3C279のフレア現象の観測結果を乱流による統計加速(フェルミ二次加速) に基づいて高エネルギー粒子の分布を決定する放射モデルにて説明することに成功したが、その放射モデルを発展させ、代表的な5つのブレーザーの多波長観測結果に適応した。これら全ての天体の多波長スペクトルの観測結果を無矛盾に再現でき、乱流加速に基づいた放射モデルが、より一般的にブレーザーの観測結果を説明可能なことを論文にて発表した。
|
Research Products
(24 results)