2021 Fiscal Year Research-status Report
次世代大型検出器のための液体キセノンシンチレータ内の光散乱過程の研究
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18K03673
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| Research Institution | Yokohama National University |
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Principal Investigator |
中村 正吾 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (50212098)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 液体キセノン / シンチレータ / 光散乱 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では，新たな散乱長測定実験を行なって液体キセノン中の真空紫外光の散乱強度の波長依存性を調べ，理論と比較することを通じて光散乱過程の詳細を明らかにする。実験では，外部光源を工夫して細い真空紫外光のビームを生成して液体キセノン中に入射し，前方において散乱光と減衰した一次光の両方を強度分布も含めて測光することによって散乱強度を評価する。
４年目である今年度も，年度途中は再び新型コロナ感染症の第５波の影響により勤務先大学の出勤制限と研究に従事する学生の登校制限との影響を強く受け，さらに液体キセノンの温度制御系の故障により中断を余儀なくされたが，その間に短期間ながら実施可能な実験を行って研究を実施した。
前年度までに既に，散乱光と減衰した一次光を測定するための測光系，および光ビームを生成する外部光源とを構築し，両者を一体化して光ビームを光学セルに計画通りに通せることを確認したが，今年度は，UV域の光ビームを後段で蛍光板で可視光に波長変換する試験と，真空槽内に平面鏡を設置して蛍光を反射し，真空槽内から光学窓を通して槽外の高感度な冷却CCDカメラで測光する試験を行った。
冷却CCDカメラには既存のPIXIS256Eを用い，民生品のマクロレンズを取り付けるためにFマウントアダプタを設計製作して撮像試験を行った。その結果として，撮像においてはCCDの画素サイズと同程度の十分な解像度が実現出来ることを確認した。また，データ取得するカメラ配置で前述の蛍光板の発光を撮影出来ることも確認した。加えて，CCDに特有のスミア現象も適切なシャッターの導入で抑制可能であることを確認した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度に続き，新型コロナ感染症の第５波により，勤務先大学の出勤制限と研究に従事する学生の登校制限の影響で年度途中に研究の中断を余儀なくされたことと，研究再開後に実験装置の液体キセノンを生成する温度制御系のヒーターが断線して最終データの取得実験が出来なくなったため。
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| Strategy for Future Research Activity |
温度制御系のヒーターの代替品の調達の目処が立ったため，今年度の初頭のなるべく早くに実験装置の液体キセノンを生成する温度制御系を修理し，実際に液体キセノンを用いて最終データを取得する実験を行う。
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| Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の第５波により年度途中に研究の中断を余儀なくされた後，研究再開後に実験装置の液体キセノンを生成する温度制御系のヒーターが断線して最終データの取得を行う実験が出来なくなったことから，その実験で用いる予定だったガスケット等の消耗品の購入が年度を跨ぐことになったため。従って，繰り越す予算は，次年度に実施する実験において必要となるガスケット等の消耗品の購入に充てる予定である。
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