2020 Fiscal Year Annual Research Report
Calibrating the local distance scale by observing bright stars with a dedicated infrared small telescope
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18K03690
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
板 由房 東北大学, 理学研究科, 助教 (30392814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筒井 寛典 国立天文台, ハワイ観測所, 技術員 (20647383)
市川 隆 東北大学, 理学研究科, 名誉教授 (80212992)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 近赤外 / モニター観測 / 変光星 / 小口径望遠鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
GAIA時代では、天体距離にフォローアップデータを組み合わせて天体を詳細に研究する手法が標準的な研究スタイルであろう。その際、太陽の近傍にある天体は各カテゴリー毎のアーキタイプとして特に詳細な検討が必要とされる。太陽近傍天体はフォローアップ観測のしやすさに加え、星間減光の影響が小さいからである。また、今後の世界的な傾向として、系外惑星の直接撮像観測がメジャーになると、太陽近傍の明るい天体は必然的にそのメインターゲットになるはずである。したがって、太陽近傍天体の高精度の近赤外測光データは最も基本的なデータであって、その整備は必須である。 意外なことに、近距離にあり明るい天体の近赤外測光精度は、期待されるほど高くない。現代の観測装置の大型化と高感度化の結果、明るい天体の観測では検出器が飽和を引き起こすことがその原因である。この現状を改善する解は、装置の小型化である。我々は国立天文台ハワイ観測所岡山分室(OBO)に小口径超広視野赤外望遠鏡TMMT(Thirty "MilliMeter" Telescope)を備え付け、2016年末より観測を行った。TMMTは口径30ミリメートルで、TMT望遠鏡の口径と比べると実に千分の一という小ささであるが、この小さな口径は狙いとする近傍の明るい天体を高い精度で観測するには丁度合った大きさである。小さな口径には他にもメリットがある。それは大きな視野を確保できることである。TMMTは一度に25平方度を観測でき、広範囲に点在する明るい天体を走査するには最適な仕様を備えている。 TMMTは既に、OBOから観測可能なl=[0, 235]度、b=[-5, +5]度の帯状の銀河面領域をJHKsで観測し終わった。このデータをまとめて査読論文と共にTMMT測光カタログとして発表し、TMSS及び2MASSカタログを刷新する。
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Remarks |
現在投稿中の論文(査読あり、レフリーコメントに従い修正し、再投稿中)あり。
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Research Products
(3 results)