2020 Fiscal Year Research-status Report
広天域撮像サーベイを用いた密度ゆらぎの総量の精密測定
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18K03693
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
大栗 真宗 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (60598572)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 観測的宇宙論 / 重力レンズ / 銀河団 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は銀河団に関する研究について大きな進展があった。ハッブル宇宙望遠鏡で観測された銀河団の系統的な強い重力レンズ解析の結果をもとに、銀河団中心銀河の形状とダークマター分布の形状の強い相関を見つけ、ダークマター分布の大きなゆがみを検出することができた。また銀河団のダークマター分布は平均的に銀河団中心銀河よりもゆがんでいることを指摘した。これは宇宙流体シミュレーションの結果と異なり、その相違の原因の追求が急がれる。一方で、すばる望遠鏡HSCサーベイで発見された多数の銀河団サンプルの詳しい解析により、銀河団の外縁半径（スプラッシュバック半径）を初めて赤方偏移1の遠方まで検出することができた。以前の研究では観測された外縁半径とシミュレーションとの違いが指摘されていたが、我々の研究ではそのような相違は見られず、観測とシミュレーションの外縁半径はよく一致していた。模擬観測サンプルの詳しい解析によって以前の相違は銀河団の選択効果に起因することを突き止めた。HSCサーベイの銀河団サンプルの画像をチェックすることで、多数の強い重力レンズ系を発見することもできた。この強い重力レンズサンプルは過去最大の規模のサンプルであり、追観測に基づく銀河団の質量分布測定の研究の進展が期待できる。さらに、HSCサーベイの弱い重力レンズカタログの構築とその試験にも従事し、HSCサーベイの約3年分のデータに基づく弱い重力レンズカタログをほぼ完成させることができたのも大きな進展である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に多くの研究成果が得られており、また最終年度に向けた準備も順調にすすめることができたため。
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| Strategy for Future Research Activity |
最新の弱い重力レンズカタログを用いた宇宙論解析をすすめる。重力レンズによりダークマター地図を作成し、純粋に重力的効果によって選ばれる銀河団サンプルを構築し、そのX線放射などを詳しく分析する。パワースペクトル解析による密度ゆらぎ測定の研究もすすめる。
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| Causes of Carryover |
出張をいくつか取りやめたため。次年度の出張に使用する。
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