2019 Fiscal Year Research-status Report
Fundamental Study of Relativistic Radiation Hydrodynamics
Project/Area Number |
18K03701
|
Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
福江 純 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (80173326)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 相対論的輻射流体力学 / 相対論的輻射輸送 / ブラックホール降着円盤 / 輻射性衝撃波 / 降着円盤風 |
Outline of Annual Research Achievements |
相対論的輻射流体力学は、適切なクロージャー関係が未発見なため、、モーメント方程式系をうまく閉じさせることができない。本研究では、平行平板や球対称など簡単化した状況で、相対論的輻射輸送方程式を厳密に解いて適切なクロージャー関係を見いだし、限定的ではあるが、相対論的輻射流体力学の定式化を完成させる。それらの基礎方程式系は、ブラックホール周辺での高エネルギー現象に適用できる。さらに、現在はまだほとんど研究されていない、相対論的輻射流体力学における振動現象や波動現象や安定性などの基礎研究も行う。 まず、基礎研究部分については、平行平板流(Fukue 2015)や球対称流(Fukue 2016)などである程度は実績を積んできた。さらに、降着円盤の強い輻射場によって鉛直方向に駆動される輻射圧駆動風を、相対論的輻射輸送方程式を厳密に解きながら、輻射場の逐次近似と、輻射場と流体場の逐次近似という二重逐次近似で解くことができた(Takeda and Fukue 2019)。 またこれまでに培ってきた相対論的輻射流体力学の知見を使い、輻射流体力学における波動現象の一つとして、輻射性衝撃波の問題に取り組んだ。まず、円盤降着流においてはじめて(非相対論的な)輻射性衝撃波の問題を取り扱い、衝撃波前駆領域の構造を解くことに成功した(Fukue 2019a)。さらに相対論的な輻射性衝撃波の問題に進み、単純な1次元輻射性衝撃波と円盤内の輻射性衝撃波の構造を、それぞれ解くことにも成功した(Fukue 2019b, c)。厳密な状態方程式を用いた輻射性衝撃波の問題についても解くことができた(Fukue 2020a)。 これまで培ってきた知識や手法を用いて、標準降着円盤の鉛直方向の構造について、非常にシンプルな解析的モデルを作ることにも成功した(Fukue 2020b)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
輻射性衝撃波の問題は、引き続き、発展させることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
相対論的輻射流体力学の定式化については昨年段階で一段落ついたと考えている。 相対論的輻射流体力学の応用として、ブラックホール降着円盤風や宇宙ジェットへの適用はまだまだ可能性があり、今後も発展させる予定である。 また、当初予定よりはるかに進展した輻射性衝撃波の問題については、現在も研究を進めている最中で、今後もさらなる発展が期待できる。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍により学会出張などが取りやめになったため。
|
Research Products
(5 results)