2020 Fiscal Year Annual Research Report
In-flight calibration of high energy electron detector on board the ERG
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18K03733
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
三谷 烈史 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (70455468)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | あらせ / 高エネルギー電子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、地球周辺の宇宙空間「ジオスペース」において高エネルギー電子が生成・消滅する過程を明らかにするため、2016年12月に打ち上げられたジオスペース探査衛星(ERG/あらせ)のデータ、特に、70 keV - 2 MeVの高エネルギー電子を連続的に観測する「高エネルギー電子分析器(HEP)」のデータについて、軌道上でのHEP観測データと地上での検出器シミュレータにより、分析器のエネルギー・角度の応答関数を構築することを目的としている。 これまで、Geant4と呼ばれる、粒子と物質の相互作用をシミュレーションするためにCERNが開発したソフトウェアライブラリを用いて、検出器シミュレータを構築しその妥当性を評価した後、検出器の応答関数を構築した。これを観測データに適用し、同じ衛星に搭載されたMEPe,XEPと重なるエネルギー範囲で比較評価し、その妥当性を評価してきた。今年度はこの一連の作業成果の一部をJGR誌に論文として投稿した(査読中)。また、本手法を適用した結果を公開データとして一般ユーザーが使える形として提供した。 これにより、Van Allen Probes衛星など海外の同種の観測データと比較ができるようになり、本方法の妥当性を客観的に示すことができた。その結果の1例として、HEPとVan Allen Probes衛星のデータ比較がJGR誌へ投稿され、査読中である。また、ERG衛星全体として、Van Allen Probes衛星との比較を含めた結果をSSR誌へ投稿準備中である。また、HEPの校正を進めていく中で、HEPの観測範囲より高いエネルギーの電子フラックスを評価する必要がわかってきた。そのため、より高いエネルギーを計測するXEPにも本研究で開発した手法を適用し、評価を進めた。将来的には、HEP/XEPの整合性・妥当性を評価したデータを公開していく予定である。
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