2018 Fiscal Year Research-status Report
衛星搭載アクティブセンサによる多重散乱を考慮した雲・降水システムの解明
Project/Area Number |
18K03745
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐藤 可織 九州大学, 応用力学研究所, 助教 (00584236)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 衛星搭載アクティブセンサ / 雲・降水粒子解析技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、これまで十分に活用されていない衛星搭載2波長偏光ライダ観測量の定量的な解析を可能とする、物理過程解析モデルの開発を行う。この事から、衛星搭載アクティブセンサを用いた雲・降水粒子解析技術の高度化を目指す。平成30年度は研究実施計画より、これまでに開発を進め、衛星ライダの後方散乱係数に含まれる多重散乱成分を異なる散乱過程に分解して高速に取り扱えるライダ後方散乱過程モデル( Sato et al., 2018 )を拡張することにより、衛星搭載ライダ多重散乱偏光過程モデルの開発を実施した。CALIPSO (Cloud-Aerosol Lidar and Infrared Pathfinder Satellite Observation )衛星搭載2波長偏光ライダに、開発した多重散乱偏光過程モデルを適用するため、波長532nmと波長1064nmにおける後方散乱係数および、波長532nmでの偏光解消度推定精度の評価を下層雲に関して行い、開発した物理過程モデルがCALIPSO衛星観測データの波長依存性の解析に使用可能である事等が分かった。また、開発した手法を用い、CALIPSO衛星解析における光学的に厚い雲の取り扱いと相毎の雲量解析を改善した高時空間分解能データの整備に着手した。本研究課題で得られたこれらの研究成果は、国際学術誌において発表した他、国際学会等を通して報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題ではCALIPSO衛星搭載2波長偏光ライダ観測量の定量的な解析を行うために必要な物理過程解析モデルの開発を通して、雲・降水粒子解析技術の高度化を目指している。本年度は、CALIPSO衛星搭載2波長偏光ライダへ実用的に適用可能な多重散乱偏光過程モデルの開発と検証を研究実施計画通り行い、国際学術誌に発表した他、衛星観測データへの適用に着手した。研究課題は概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
多重散乱偏光過程モデルを取り込んだ水雲解析手法の開発を行い、衛星搭載2波長偏光ライダの定量的な解析を行う。また、多重散乱偏光過程モデルを拡張し、氷雲及び他の衛星搭載アクティブセンサにおける精度を検証する。衛星搭載アクティブセンサを複合利用し、多重散乱偏光過程モデルと海面散乱断面積を活用した雲・降水微物理特性解析手法の開発に着手する。
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[Journal Article] Next-generation-synergetic-observation-system for the unified analysis of CALIPSO, ADM-Aeolus and EarthCARE-ATLID2018
Author(s)
Okamoto H., Sato K., Ishii S., Aoki M., Nishizawa T., Sugimoto N., Jin Y., Ohio Y., Horie H., Fujikawa M.
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Journal Title
CLRC2018
Volume: -
Pages: We6-1-We6-1-4
Peer Reviewed / Open Access
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