2018 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of iodine activation mechanism in polar regions
Project/Area Number |
18K03746
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
薮下 彰啓 九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (70371151)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ヨウ素 / 二酸化窒素 / キャビティリングダウン分光 / 極域 / 氷 / ヨウ化物イオン / 吸収分光 / レーザー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は3年計画であり1年目は主に氷表面とガスを反応させて気相中に生成したヨウ素(I2)を測定する装置の立ち上げを行った。現有の気相反応研究用キャビティーリングダウン分光(CRDS)装置を不均一反応研究用CRDS装置へと改造した。まず反応容器を設計した。反応容器はガラスで製で二重管にした。ヨウ化物イオン(I-)を含む水溶液をガラス製反応管の内側に注ぎ込み、外側に冷媒を循環させることにより水溶液を凍結させて氷を作成することができた。極域の海氷の温度に合わせて0℃から-25℃の温度範囲で氷を作製することができる。氷の温度は凍結させる前の水溶液の状態から熱電対を浸して測定した。このようにして作製した氷にマスフローコントローラーで流量制御したガスを暴露させ、反応によって気相中に放出されたヨウ素を測定するという装置である。装置が組みあがったのち二酸化窒素(NO2)とNaI水溶液を凍結させた氷の反応によるI2生成についての予備実験を試みた。NO2とI2の吸収は干渉するため適切な測定波長選びに試行錯誤する時間を要した。NO2の濃度を濃くするとI2が生成してもNO2の吸収スペクトルに埋もれてしまって生成量の算出が困難であり、逆にNO2の濃度が低すぎるとI2があまり生成せず検出が困難であるためである。最終的にはNO2とI2の濃度をそれぞれ算出する方法を考案することができ、反応によって気相中に放出されるI2を確認することができた。来年度以降は実験条件を変化させてその反応機構に迫る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
不均一反応研究用CRDS装置を立ち上げて、NO2と氷表面上のI-の反応によって生成するI2濃度を測定することができるようになったため。
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Strategy for Future Research Activity |
NO2濃度依存性、NaI濃度依存性、氷温度依存性とpH依存性を定量的に測定して反応メカニズムを明らかにする。その後引き続いてオゾン(O3)と氷表面上のI-の反応機構についての研究を行う。
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Causes of Carryover |
レーザー用消耗品として計上していたフラッシュランプと色素が長持ちしたので購入しなかったため次年度に購入することとした。
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