2018 Fiscal Year Research-status Report
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18K03751
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
服部 美紀 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境観測研究開発センター, 技術研究員 (50533519)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ライダー / 水蒸気 / データ同化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年11月から12月にかけて海洋地球研究船「みらい」の航海(MR15-04)で得られたライダー観測による水蒸気データについて、品質管理作業とラジオゾンデによる精度検証が完了した。また、データ同化を目的とした1時間値の作成および鉛直レベルの間引き、観測誤差情報の作成を行い、アンサンブルデータ同化システム(ALEDAS2)を用いた同化テストを実施した。計算が途中で中断してしまう期間が見つかったため、原因となるデータを特定し、その特徴を把握する作業を進めるとともに、空間解像度を上げた実験の準備を行なった。 一方で、同期間に「みらい」で得られたラジオゾンデ観測データの同化実験を実施し、ライダー同化の比較対象として設定した実験が用意できた。このラジオゾンデ同化実験の結果、アンサンブルスプレッドの減少率で評価した同化インパクトの大きな領域が、MJOの対流活発域の東進に伴いインドネシア海大陸の西側から東側へ移動し、特に熱帯低気圧へ発達しつつある対流システムの周辺で大きく現れることが示された。この成果について学会発表を行なった。 また、対象期間より後の観測プロジェクトによって、より高精度のライダー観測による水蒸気データが得られていることから、このデータを活用した更なる精度検証を進めているところである。これにより、より信頼性のあるデータを選別して同化することが可能となり、同化実験の進展が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ライダー観測データの品質管理作業および精度検証を終え、観測誤差情報の作成など同化のための準備を終えることができた。テスト実験に着手し問題が見つかったものの、その対策の一つとして解像度を変更した実験等の準備も整えることができた。更にラジオゾンデ観測を用いた比較実験についても実施しており、解析に着手することができた。概ね計画どおり進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
ALEDAS2を用いてライダー観測データの同化インパクト実験を開始する。ライダーおよびラジオゾンデ観測の有無による複数の感度実験を実施し、インパクトの違いについて比較解析を行う。特に日変化降水の再現性やMJOの通過に伴う水蒸気場の変化に注目して同化のインパクトを評価する。また、夜間から早朝の海洋上における降水システムの発達に伴う大気下層の水蒸気の変化とその役割について、取得したライダー観測データと同化した解析データを用いて解析を進める。
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