2021 Fiscal Year Research-status Report
Ocean-atmosphere interaction associated with coastal upwelling along the southern coasts of Sumatra and Java
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18K03753
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
堀井 孝憲 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(海洋観測研究センター), 主任研究員 (20600430)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 沿岸湧昇 / スマトラ・ジャワ島 / インド洋ダイポール現象 / 大気海洋相互作用 / 衛星海色データ / クロロフィルa |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、全球海洋の沿岸湧昇域の中でほとんど大気や海洋の観測データが得られていなかったスマトラ・ジャワ島南西部における冷水の沿岸湧昇、またそれに関連する大気海洋相互作用を調査し、インド洋規模の気候変動との因果関係を検証することである。第四年度(2021年度)は、この沿岸湧昇とそれに伴う大気海洋相互作用の理解を目指した調査を進めた。成果をまとめて学会で発表し、また論文を国際誌に投稿した。以下に具体的な実績内容を示す。 これまでの本研究の結果から、ジャワ島やスマトラ島南西部における沿岸湧昇発生時の水温や塩分の鉛直構造およびそれらの時間変動が明らかになってきた。これらの成果に基づいて、2021年度は本課題の最重要ポイントである「沿岸湧昇とそれに関連する大気海洋相互作用およびインド洋規模の気候変動との関係」に集中して取り組んだ。 本課題の当初の計画では、この大気海洋相互作用を調査するために、インドネシアの研究者たちと連携しインドネシアの気象データを取得して研究を進める予定であった。しかし、2020年度から2021年度にわたる新型コロナウイルス蔓延による外国渡航制限のため計画を変更し、主に使用するデータおよび研究手法を更新した。新たに進めた研究においては、自ら整備し誤差評価を行った衛星観測の海色データを沿岸湧昇の指標として活用して、ジャワ島沖の沿岸湧昇の発生とその後の大規模な大気海洋相互作用現象の発達との関係を調査した。その結果、インド洋の主要な気候変動モードであるインド洋ダイポール現象に数ヵ月程度先行して系統的に発生していた沿岸湧昇のシグナルを見いだし、それらの沿岸湧昇の発生に伴う大気海洋相互作用によって冷水のシグナルが外洋に向けて大規模に発達する過程を示すことができた。これらの結果をまとめて学術誌に投稿した。これはインド洋の気候変動の予測可能性向上に貢献しうる成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度は最終年度であり、本課題の最重要課題に取り組んだ。その結果、当初の予想を上回る研究成果があがった一方で、上述したとおり研究計画の変更によってデータ解析と学術誌への論文発表にやや時間が必要となった。 具体的には、以下のように計画を変更した。インドネシア技術評価応用庁(BPPT)やインドネシア気象気候地球物理丁(BMKG)の研究者たちと連携してインドネシアの気象データを取得し沿岸湧昇に関連する大気変動を調査する計画は、新型コロナウイルス流行の影響があり、研究者たちとの調整がつかずとりやめた。一方で昨年度から変更した計画に記していた衛星観測データの解析は順調に進み、衛星による海色観測を基にしたクロロフィル変動を調査することで沿岸湧昇の発生に伴う大気海洋相互作用の存在を示すことができた。 以上のように、一部計画と実施状況に変更があり計画を次年度に延長したため、進捗状況はやや遅れていると評価せざるを得ないが、本研究において提案した観測データに基づくスマトラ・ジャワ島南西海域の沿岸湧昇の研究は大きく進めることができた。延長した次年度に、本課題の総まとめの位置づけとなる研究成果を論文として発表できる可能性が高い状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
延長した最終年度(2022年度)は、スマトラ・ジャワ島沖の沿岸湧昇の発生とその後の大規模な大気海洋相互作用現象の発達との関係についての研究成果を学術誌に発表する。これが本課題の総まとめの成果となる予定である。 また、前述したとおり研究計画を変更した結果、新たにスマトラ・ジャワ島沖の沿岸湧昇の発生時期の長期変化に関する研究成果も得られている。この成果も論文にまとめ学会および学術誌に発表する予定である。 また、事業期間中に整備した大気と海洋の観測データを可能な限りウェブサイトなどに公開する。また本課題で得られた知見を JAMSTEC のウェブサイトを通して一般向けの解説としても発信する。
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Causes of Carryover |
(理由)旅費について、当初参加を予定していた国際学会や打ち合わせのための出張が昨年度より引き続き新型コロナウイルスの流行により延期となり当年度に使用できなかったためである。物品費・その他について、論文の出版費を予定していたが、論文の投稿が当初の予定より遅れ論文の出版費も次年度以降の使用に変更したためである。 (使用計画)主に投稿中の論文と今後投稿する予定の論文の英文校正費用や出版費に使用する。また一部をテレワークに対応できる計算機環境を整えるための物品費として使用する。また次年度に海外出張が可能となった場合、研究発表のため国内外の学会に出張する旅費として使用する。
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Research Products
(11 results)