2021 Fiscal Year Annual Research Report
Reconstruction of precipitation during a few days and weeks by using biotic shells of grow
Project/Area Number |
18K03757
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山田 桂 信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (80402098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬戸 浩二 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 准教授 (60252897)
入月 俊明 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 教授 (60262937)
坂井 三郎 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(生物地球化学プログラム), 主任研究員 (90359175)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 汽水湖 / 貝形虫 / 底層塩分 / 酸素同位体比 |
Outline of Annual Research Achievements |
N2015コアの深度83~131cmの22試料から貝形虫殻を拾い出した.それらから,各試料10個体を目安に,破壊のない成体の貝形虫Bicornucythere bisanensis殻を10個ずつ抽出し,高知大学海洋コア総合研究センターの分析機器を借用し,1殻ごとに安定炭素・酸素同位体比を測定した.分析を行った殻は,計315個体であった.得られた酸素同位体比は1.0から-2.5‰を示し,その多くは0から-1.5‰の範囲に集中した.また,まれに他の個体の酸素同位体比から離れて,-2.0から-2.5‰程度の低い値を示す場合が見られた.得られた酸素同位体比の多くは-1.8~0.4‰の範囲に含まれており,この範囲より小さな値は12点,大きな値は7点認められた.同一試料内の殻の酸素同位体比の値のばらつきは,コア深度110~90 cmでは他の深度の試料内のばらつきに比べて小さかった.これらの層準は1500~1600年ごろに相当すると考えられる. 中海において夏季に殻を作るB. bisanensis殻の酸素同位体比は底層塩分を反映することがわかっており,本課題での分析データを総合すると,過去1400~1650年の中海における底層塩分は,1500~1600年ごろは他の時期に比べて短時間での底層塩分の低下が少なかった可能性があることが明らかになった.これらの値を現在の中海における同種の成体殻の酸素同位体比と比較すると,平成30年7月豪雨の時の塩分低下時より低い酸素同位体比の個体が見られ,それらは1450~1500年,1600~1650年頃が多かった.
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Research Products
(10 results)